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統計・データ 2020.07.30

コロナ下でもXR市場予測は上方修正、VRヘッドセットの需要高まる

ゲーム業界のリサーチ会社Superdataは、2020年第1四半期時点の最新XR市場予測を発表しました。ロケーションベースVRといった市場では下方修正が入ったものの、トータルの市場規模は前回予測から拡大しています。

トータルでの市場規模は拡大

レポートによると、XRのハードウェア、コンシューマ向けソフトウェアといったトータルの市場規模は、前回4月の予測から上向きに修正されています。63億ドルから69億ドルへと見直した背景について、SuperDataはVRヘッドセットへの旺盛な需要を挙げました。新型コロナウィルスの影響で供給に遅れが生じていますが、2020年後半にはHPのなど新デバイスも登場予定。今後も市場は拡大する見込だといいます。

このハードウェア市場においては、一体型ヘッドセットOculus Questの好調が目立ちます。SuperDataによれば、2017年第4四半期から2019年第3四半期までVRヘッドセットの売上首位はPlayStation VR(PSVR)でした。しかし2020年第2四半期、PSVRの15万5,000台に対してOculus Questが17万7,000台と、Questが首位に立っています。レポートでは、少なくとも2021年末まではQuest(後継機種含む)がトップであると予測しています。

施設型VR、コンシューマーARデバイスは不振

一方で前回予想から下方修正されたのが、ロケーションベースVR(施設型VR)やAR/MRヘッドセットの売上規模です。
施設型VRは新型コロナウィルスの流行を受けて休業する体験施設が多く、2020年の市場規模は2019年のわずか4分の1と予測されています。そして今回、影響の長期化を折込み、2023年時点でも2019年比で29%減と、市場が回復しきらない見通しになっています。

AR/MRヘッドセットは、前回の予測では2023年時点でXR市場の36%を占めると発表されていました。しかし今回、SuperDataは23%へと下方修正しています。背景として挙げるのは、Magic LeapやFocalsといった、コンシューマをターゲットにしたデバイスの不振です。Magic Leapは一時は大規模レイオフを掲げFocalsの開発元Northはグーグルに買収されました。
アップルがARグラスをリリースする、という噂は信憑性を増していますが、レポートでは早くても2022年の発売と見ており、メインストリームとなるには更に時間を要するとしています。

「ポケモンGO」はプレイヤー増やす

この他トピックスとして挙がるのは、 スマートフォン向けARゲーム「ポケモンGO」の好調です。新型コロナウィルス流行下で外出自粛が広がる中でもプレイヤーは減ることなく、2020年第2四半期の売上は前年比12%増となりました。開発元のNianticは、屋内でもプレイを楽しめる機能やイベントのオンライン開催など、自宅から参加できる仕様を充実させています。

(参考)SuperData


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