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業界動向 2020.05.15

バーチャル空間を共有できるSpatialが無償化、“在宅勤務疲れ”対策に商機

米国のスタートアップSpatialは、バーチャルコラボレーションプラットフォームの無償提供を開始します。新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が増加したことが背景で、これまで有償であったエンタープライズ向けサービスが100%無料になります。

クロスデバイスのコラボレーション

Spatialが手掛けるのは、異なる場所にいる複数のユーザーが、デバイスを問わず同じVR/AR空間を共有できるプラットフォームです。最大で25~30人のユーザーが、ビデオやアバターを通じて同じ空間でコミュニケーションを行えます。3Dオブジェクトの操作や、バーチャルペンで空間に文字を書くといった動作も可能です。

本ツールの特長は、異なるデバイス間(クロスデバイス)でコミュニケーションが取れる点。対応する機器はマイクロソフトのHoloLensやMagic LeapのMagic Leap 1といったMRデバイス、そして一体型VRヘッドセットOculus Quest、タブレット端末やデスクトップPC等多岐にわたります。ARヘッドセット等がまだ高価で普及途上の中、スマートフォンを含む様々なデバイス間で利用できる点は、大きなメリットと言えます。

今回プレミアムレベルのエンタープライズ向けサービス無償化と合わせ、下記のような新機能も盛り込まれました。

・初心者にも利用しやすいインターフェース:チュートリアルルームの設置、メニューデザインの簡素化を行いました
・あらゆるデバイスからのアクセス:ソフトウェアのダウンロードやヘッドセットなく、3D空間でのコミュニケーションを開始できます
・シームレスな共有:Spatial上のルームは、リンク1つでチームメイトと共有できます

リモートワークの問題を解決

同社ビジネス開発部門のヴァイスプレジデントJacob Lowenstein氏は、次のようにバーチャルコラボレーションの意義を説明しました。

在宅勤務はニューノーマルになるでしょう。それは素晴らしいことですが、同時に多くの問題もはらんでいます。人々はZoom疲れ(Zoom burnout)に見舞われ、来る日も来る日も同じ四方の壁に囲まれて仕事するのですから。

AR/VR空間で働くことは、この問題への強い対策になります。(AR/VR空間では)別の場所にいるような気になります。同僚たちの強い存在感、近くにいるという感覚を持つことが可能です。

ユーザーには、ファイザー、ネスレ、NASDAQといった大手企業らが名を連ねています。さらにSpatialは、企業向けに加え教育分野でのサービスも検討を始めたということです。

新型コロナウイルス流行で注目されるテレワーク。そのツールに関しては下記記事でも紹介しています。

(参考)VRScout
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