2018年4月にソニーが、VRのセカンドスクリーンに関する特許を申請したことが分かりました。
この仕組みでは、VRを体験しているプレイヤーに周りの人がスマートフォンのような端末をかざすと、まるでカメラ越しに覗き込んでいるかのようにVRの中の様子を見ることができます。
VR体験中は孤独という問題
これまで、多くのVRゲームではVRを体験しているプレイヤーは孤独でした。周りでその様子を見ている友人や家族は、テレビに映るプレイヤー目線の映像を共有することで、かろうじてプレイしている様子を見ることができましたが、プレイヤーに干渉することはできません。
今回公開された申請中の特許は「Second Screen Virtual Window Into VR Environment」(VR環境を覗き込むセカンドスクリーン・バーチャルウィンドウ)という名称です。
デバイスを手に持った周りの人は特許では、「観察者」とされています。観察者は手に持った端末をカメラのようにかざすことで、VRの中にプレイヤーがいる様子を見ることができます。周りを歩いて回ったり、近づいたりすることで、カメラを構えているように視点が変わっていきます。
ソニーインタラクティブエンターテイメントは、2018年3月に開催されたGDCで、VR体験中の様子をスマートフォン、タブレット、ホログラフィックディスプレイなど様々な端末で他視点で見ることのできるデモを展示していました。
また、ソニーは2016年10月に発売されたPlayStation VR向けミニゲーム集「Playroom VR」で、VRプレイヤーとそれ以外のVRをつけていないプレイヤーが一緒に遊ぶことのできる非対称型のVRゲームを複数提供しています。
VRの中の様子をスマートフォンやタブレットでカメラのように見るシステムは、ソニー以外からも提案されています。2018年9月にOculusはOculus Connectで同様のシステムを展示しているほか、VRゲーム開発を手がけるOwlchemy LabsはAndroid端末を使用したシステムについて言及しています。
こうしたVR内を覗き込むカメラシステムは、ただ観察者が覗き込むだけでなく、音声やタップによる操作などで、VR内に干渉することも可能になります。
これまでは一人で遊んでいたVRゲームの幅がこれまで以上に広がることが予想される技術です。
(参考)米国特許商標庁