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MoguraVR

2018.10.03

Oculus Questが示す新しい遊び「アリーナスケール」マルチプレイVR

Oculusが2019年春に発売を発表した一体型VRヘッドセットOculus Quest(オキュラス・クエスト、以下Quest)。PC不要でハイエンドなVR体験ができるデバイスでありながら、399ドルという低価格が注目を集めています。

デバイスの実力を確かめる体験レポートはすでに前回の記事(Part1)で掲載しました。

Part2では、Questのさらに進んだ使い方として発表された「アリーナスケール」について紹介します。

ルームスケールを超える「アリーナスケール」

OculusはQuestを発表したOculus Connect 5(OC5)の基調講演で、Oculusは、Questに搭載される外部センサー不要のトラッキング機能「Oculus Insight」の可能性として「アリーナスケール」という概念を紹介し、そのデモを展示しました。

アリーナスケールは、アリーナレベルの広大なエリアを動き回ることができる、ということ。比較される言葉として、「ルームスケール」があります。PC向けのHTC VIVEで実現した部屋サイズの空間を自由に動き回ることのできるトラッキング機能のことで、アリーナスケールは「ルームスケールを超える概念」として紹介されました。

PC向けのOculus Rift等でルームスケールを実現するためには外部センサーを使っていましたが、Questではこのアリーナスケールを外部センサーなしで実現するとしています。アリーナスケールを支えるトラッキング機能「Oculus Insight」はQuestのヘッドセット前面にある4つのカメラで空間の構造を把握し、位置トラッキングを行う技術です。床や天井だけでなく、机や椅子、テレビ、窓、家具などの形状も認識します。

399ドルのVRヘッドセットで6人が同時プレイする「Dead and Buried Arena」

OC5のデモエリアには、約24m×約18mの巨大なスペースを使ったブースがありました。このスペースは、Questを使った「Dead and Buried Arena」というゲームのデモを6人で体験するためのものです。「Dead and Buried Arena」は、「アリーナスケール」、そして前回の記事で紹介した「MRモード」を駆使しており、“将来Questで体験できるようになる”新しいVRゲームのあり方を垣間見ることができました。

「Dead and Buried Arena」は、3対3で銃撃戦をプレイする対戦シューティングです。プレイエリアにはブロックが配置されており、VR内では木箱になります。木箱に身を隠して敵の銃撃を避けながら、隙間から銃を出して撃って敵を倒します。自陣を自在に動き回って敵の隙を見つけて撃っていく感覚はさながらサバイバルゲームのようです。

重いPCを背負わなくて動き回るー未来の施設型VR

「Dead and Buried Arena」にはいくつかQuestの技術が駆使されていますが、最も驚くべきことは、「VRヘッドセットのみを装着して広大な空間を動き回っている」こと。

これまでもVRで広い範囲を動き回るゲームはありました。国内でもVR ZONEの「ドラゴンクエストVR」やジョイポリスの「Zero Latency」など、友達と話しながら動き回るコンテンツはありましたが、いずれも数kgあるバックパック型PCを背負い、身体にはグローブなどを装着して全身をトラッキングする方法が一般的です。体験する前のセッティングに5~10分間はかかります。

「Dead and Buried Arena」のように399ドルの一体型VRヘッドセットを各人が装着するだけでプレイできるのであれば、体験のハードルは一気に下がるほか、運営コストも下がります。また身軽になるため、さっと身を隠す、しゃがむ、などの比較的激しい動きも可能になります。(ただし「Dead and Buried Arena」でも、走る、ジャンプなどのアクションは禁止されていました)。

現実とVRがシンクロ

さらに驚くべきことに「Dead and Buried Arena」では、現実にある黒いボックスがVRでも木箱になっています。遮蔽物に手を伸ばせばそこには箱があり、まさに「隠れている感覚」が増幅します。

これはOculus Insightを使って、箱がそこにあることを認識し、木箱に変換しています。床に敷いてあるカーペットや箱には白い模様がありましたが、これはOculus Insightによるコンピュータビジョンを強化し、動き回ってもズレの少ないトラッキングを実現するためのものです(詳細は明かされませんでしたが、マーカーではなく、特徴点を捉えやすくするものと考えられます)。実際に筆者が10分ほどプレイした際には、ヘッドセットを装着した直後はほぼズレがなく、プレイ中には5~10cm程度のズレを感じました。


(「Dead and Buried Arena」のメイキングについて記載しているOculusのブログに掲載されているプレイエリアの模様)

現実の世界がVRの世界になる「MRモード」

「Dead and Buried Arena」では、Questで将来的に実装すると考えられている「MRモード」の非常に初期の段階が応用されていました。

「MRモード」はOculus Insightを使って、VRヘッドセットを装着中に外界の様子を見ることができる機能です。いわゆるビデオシースルー型のARとは異なり、Questで観る外界の様子は、真っ白い世界と物体や人の黒い輪郭です。4~5m先までにある物体や人の輪郭はかなりくっきりと見えており表情で人も識別できます。案内をしてくれたスタッフのTシャツのに書いてあった文字も黒黒と表示されていました。このことからOculus Insightが近距離で物体の形状を認識していることが分かります。

https://www.youtube.com/watch?v=QK1w71Akzto

(OC5基調講演でのMRモードについての発表)

「Dead and Buried Arena」では、Questを装着するとMRの世界が広がります。足元には自分の立つ場所がマークで示されておりそこまで歩いていきます。プレイヤー6名が定位置につくとゲームが始まるのですが、ちょうど3対3で向かい合っているプレイヤーの目の前に老人の幽霊が現れゲームの説明をします。

そして…幽霊の合図とともに現実世界をベースにした真っ白い輪郭だけのゲームの世界に切り替わっていきます。世界に色が付き、自分の身体がアバターという形式で実体化し、遠くに見えていた箱のようなものは木箱になります。「実体化する感覚」を味わったのは初めで思わず歓声を上げてしまったほどです。こうした現実を認識し、VRに再現する処理をすべて各プレイヤーのQuestがリアルタイムで行っている点は印象的です。

その後は、現実の世界ともVRとも分からなくなった世界で銃撃戦を楽しみました。現実ではありえない「自陣と敵陣の間を高速で汽車が駆け抜ける」などの演出もありながら、必死に戦うも結果は敗戦。せめて最初に味方に名前を聴いておけば協力できたかもしれません。ゲームシステム的にはただ銃撃戦を行うだけのシンプルなものですが、ドッジボールなどにも近い飽きずに繰り返し遊びたくなる大きなポテンシャルを感じました。

6名のプレイヤーが違和感なくプレイできる同期を実現した「マルチプレイ」

そしてこの体験はマルチプレイ体験です。6名のプレイヤーが同じ現実空間の構造(Spatial Map)をネットワークで同期し、VR空間でも同じようにリアルタイムに他のプレイヤーが動き回っています。VR版ARクラウドともいうべき「現実でもVRでもリアルタイムに他のプレイヤーが見える」ことも特徴です。

実況は…iPadを持ったカメラマンが撮影

「Dead and Buried Arena」でさらに未来を感じさせたのは、VR内の対戦の様子を映し出す方法です。VRを体験中の様子を映し出す方法は様々ありますが、その一つにVR内にカメラを置いて、様子を映し出すという方法があります。

これまでは固定視点のことが多かったですが、「Dead and Buried Arena」ではiPadをカメラにして持っているカメラマンがいました。iPadにはまるでVR内を覗き込んでいるかのように銃撃戦の様子が移っています。盛り上がっているプレイヤーに近づいたり、全体を俯瞰したり、実際にVR内にカメラマンがいるかのように撮影をしていました。おそらくアップルのARKitを使い、空間マップを共有して処理を行っていると考えられます。

https://www.youtube.com/watch?v=rUYB03fREmQ

(実際に撮影しているiPadの画面と現実を同時に出力している様子)

アリーナスケール、MRモードはいずれも実験段階

Oculusによると、「Dead and Buried Arena」で展示している技術は現時点では未来の技術の展示、とのこと。MRモードもアリーナスケールもQuestの発売日から使える機能ではなく、SDKにも含まれません。実装時期も「数年以内」とのことで定まっていないようです。

しかし、今の施設型VRが一体型VRヘッドセットにより、コスト、オペレーション、コンテンツなど様々な側面で大きく変わる可能性を示唆した非常に興味深い展示でした。

また、特殊な機材を使わずにVRヘッドセット1つで複数人の同時VR体験を可能にする一体型VRヘッドセットによるアリーナスケールはいつか動き回るVRの脱施設化」を可能にするかもしれません。

何人か集まったら所与のスペースを確保し、VRヘッドセットでプレイエリアを登録。ネットワークを介して各自のVRヘッドセットを接続したら装着してプレイスタート。エリアを縦横無尽に動き回って遊ぶ……。

認識精度や安全性など課題は多くありますが、限られた施設で体験をする今とは違った形で「動き回るVR」が遊ばれる日もやってくるかもしれません。

(参考)
https://www.oculus.com/blog/playing-with-the-future-mixed-reality-and-arena-scale-gaming-at-oc5/

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この記事を書いた人

すんくぼ(久保田 瞬)

慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。VRジャーナリスト。
VRが人の知覚する現実を認識を進化させ、社会を変えていく無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。VR/AR業界の情報集約、コンサルティングが専門。また、国外の主要イベントには必ず足を運んで取材を行っているほか、国内外の業界の中心に身を置きネットワーク構築を行っている。Boothにて書籍「寝転んでNetflixを観ると、 VRの未来が見える」販売中

Twitter:@tyranusii

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