11月7日、ソニーはオランダに拠点を置くスタートアップBeyond Sports(ビヨンドスポーツ)を買収しました。Beyond Sportsは、ホッケーの試合をボクセル調のアバターでリアルタイム再現したことで話題の企業。今後は、ソニーのスポーツエンターテイメント事業で高い技術力を発揮すると考えられます。
高度なトラッキング技術とビジュアル合成力を評価か
Beyond Sportsは、2014年創業のオランダに拠点を置くスタートアップです。AIを用いてスポーツデータの分析と可視化を行い、新たなスポーツ体験を提供しています。
2022年6月には、Beyond Sportsが手がけた米国のナショナルホッケーリーグ(NHL)の試合がYouTube等で配信され、大きな話題を呼びました。この配信では、全選手はBeyond Sportsが「Blocky」と呼ぶボクセル調のアバターの姿で登場。実際の動きがリアルタイムで正確にトラッキングされ、アバターたちが試合を繰り広げました。その後、本取り組みは2021年のスポーツ・エミー賞(Outstanding Live Graphic Design部門)を受賞しています。
実際の仕組みとしては、選手にセンサーを装着し、動きをトラッキング。その上にアバター画像を重ねていると考えられます。Beyond Sportsの高精度なトラッキング技術やAIを駆使したビジュアル化技術は、ソニーのスポーツ事業や新たなコンテンツ制作に活用される見通しです。
本買収に際し、ソニー株式会社執行役員常務である河野弘氏は、「買収により、ソニーのスポーツ事業がさらに強化され、ライブとバーチャルをつなぐ新たなスポーツエンタテインメントが実現されることを確信しています。ビヨンドスポーツの技術やノウハウを最大限に生かし、スポーツの力と感動を解き放つスポーツエンタテインメント体験の実現を目指します」とコメントしています。
(参考)SONY