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AR/MR 2020.04.12

【2020年最新版】スマートグラスって何? 各社モデルや最新デバイス解説

ディスプレイにデジタル情報を表示する「スマートグラス」。昨今、産業向け用途からスタイリッシュなコンシューマ向けなど、各企業がさまざまなモデルを発表・開発しています。

本記事では「スマートグラス」はどういったデバイスなのかといった解説に加え、2020年4月時点で各企業が発表・開発しているスマートグラスを紹介します。

目次

1. スマートグラスとは
2. Google Glass
3. Focals
4. ボッシュ
5. Vuzix社製スマートグラス
6. DigiLens Crystal
7. Moverio
8. Huawei(音声中心)
9. Echo Frames(音声中心)
10. Bose Frames(音声中心)

スマートグラスとは

「スマートグラス」は現実にディスプレイ上のデジタル情報を重ねて表示するメガネ型のウェアラブルデバイスを指します。ハンズフリーで作業に必要な情報やマニュアル、メール通知などの確認ができ、中には声で操作できるものも。ディスプレイ表示機能を持たず、オーディオ機器や音声通話用としてのみ使える“音のスマートグラス”もあります。

スマートグラスと似た用語として「AR/MRグラス」があります。どちらも頭に装着するメガネ型デバイスという点では同じですが「AR/MRグラス」は「現実空間を認識する機能が備わっている」ものを指します。(※「スマートグラス」と「AR/MRグラス」の詳しい違いやデバイスの種類に関しては下記の記事で解説しています)

Google Glass(Glass Enterprise Edition 2)

Glass Enterprise Edition 2」は、グーグルが2019年5月に発表した法人向けスマートグラスです。大手国際輸送物流会社DHLのサプライチェーン部門は既に「Glass Enterprise Edition 2」を導入しており、倉庫でのピッキング作業において、ハンズフリーでの情報チェックに活用されています。

「Glass Enterprise Edition 2」の販売価格は999ドル(約11万円)。2020年2月に販売を開始、複数の代理店経由で展開を行っています。なお、これらの代理店は主に米国とカナダ向けの取り扱いを行っており、日本での購入の可不可については明言されていません。

Focals

Focals」はカナダのスタートアップNorthが開発する網膜投影を用いたスマートグラスです。一般的なメガネのようなデザインが特長で、レンズの部分にプロジェクターが内蔵されています。

「Focals」はスマートフォンとBluetooth接続して使用できます。指輪型のコントローラーで操作し、スマホに届いた通知、天気や時間のチェックなどが行えます。その他にも、配車サービスであるUberを使用したり、Alexaと接続したりも可能です。デバイスの購入には、ブルックリンやトロント等のショールームにてメガネのサイズ測定が必要です。

Northは2019年12月に次世代版「Focals 2.0」を発表。前モデルの「Focals」と比較し、レンズの軽量化やフレームのスリム化によって40%の小型化を実現。発表によれば、網膜ディスプレイの性能は10倍になり、より幅広い度入りレンズに対応できるそうです。

ボッシュ

ドイツのボッシュ傘下のボッシュ・センサーテックは、スマートグラスそのものではなく、ハードウェアメーカー向けのOEMモジュール「Bosch Light Driveテクノロジー」を開発しています。ディスプレイを必要としない小型・軽量な網膜投影(※ディスプレイに情報を映して見るのではなく、目に映像を直接投射する)のコンシューマー向けスマートグラスを可能にする技術です。

このモジュールは10g以下と軽量でスマートフォンと接続して使用します。開発担当者のブライアン・ロッシーニ氏は、「透過性、光が歪まないこと、プライバシー」の3点を特長として挙げており、プライバシーに関しては「スマートグラスで何を見ているかが周囲に見えることがない」とコメントしています。使用は通知やルート案内、リストなど生活する上でのちょっとした情報の表示に特化しています。

Vuzix社製スマートグラス

AR技術を有する企業Vuzix Corporationは、産業向けの「M400(Mシリーズ)」や産業・コンシューマ向けの「Blade」を展開しています。

M400

「M400」は、QualcommのAR/VRデバイス専用のチップセット「XR1」を搭載した、産業向けスマートグラスです。遠隔作業支援や倉庫・空港での荷物搬入といった場面での使用が想定されています。

本製品はソフトウェアなどにおいて、既存のMシリーズ製品(M300M、300XL)と互換性があります。OSはAndroidを採用し、USB-Cケーブルで接続できます。公式ストアでの価格は218,900円(税込)です。

Blade

「Blade」は、産業向けとコンシューマー向けで展開されているスマートグラスです。スマートフォンを介したデータの送受信と表示が可能ですメールや画像、テキストメッセージなどのデータを閲覧したり、道案内のガイドを使用したりといった用途に利用できます。

またAlexaに対応し、スマートグラスからAlexaを起動、ハンズフリーで操作し、音声と視覚で情報の受信も可能です。公式ストアでの価格は99,000円です。

M4000

Vuzix社は2020年1月に法人向けの新型スマートグラス「M4000」を発表。同社は本製品を「これまでで最もパワフルな企業向けスマートグラス」としています。導光板ディスプレイが導入されており、現実のオブジェクトに干渉されずに様々なコンテンツや情報を画面に表示できます。ボイスコマンド機能なども実装されています。

発売時期は2020年後半、価格は2,499.99ドル(約27万円)です。

DigiLens Crystal

DigiLens Crystal」は、2019年1月に米国ARハードウェア開発のスタートアップDigiLensが開発するスマートグラスです。スマートフォンとUSB Type-Cで接続して使用し、CPUやバッテリーなどはデバイスに搭載されていません。

DigiLens Crystalはスマートフォン用のアプリが利用可能です。DigiLensによれば、「5G通信と音声入力の実装により、ゲームアプリに高い適性を有する」としています。また対応するアプリを使用した、教育目的や工場、物流チェーンでの活用も想定しているとのことです。

Moverio

Moverio BT-30C」は、エプソンが2019年5月に発表したスマートグラスです。AndroidスマートフォンとUSB Type-C接続(DisplayPort Alternate Mode対応)して動作します。装着者の目の前にスマートフォンの画面をシースルーで表示できます。

本製品のディスプレイにはシリコン有機ELが採用されおり、水平解像度は720pでリフレッシュレートは30Hzです。公式ストアでの価格は54,978円(税込)です。

Huawei(音声中心)

中国の大手通信機器メーカーHuawei(ファーウェイ)は、2020年3月にスマートグラスの最新モデル「HUAWEI X Gentle Monster Eyewear」を発表しました。本モデルは2019年3月に発表され、韓国のメガネブランドGentle Monsterと提携して開発されました。

本製品はスマートフォンとBluetooth接続して使用し、主にオーディオ機器としての用途が想定されています。デュアルスピーカーを搭載し、マイクロフォンにはノイズリダクション機能も備わっています。メガネのつる部分をタップすることで、再生や一時停止の操作が行えます。デザインはレンズがクリアな眼鏡型と黒色のサングラス型の2種類です。

Echo Frames(音声中心)

Echo Frames」はアマゾンのAIアシスタント「Alexa(アレクサ)」を搭載したスマートグラス。本製品はスマートフォンとBluetoothで連携して動作します。2020年4月時点、対応OSはAndroidのみで、iOSには未対応です。Alexaとコミュニケーションするためのスピーカーとマイクが内蔵。情報を映し出すディスプレイは搭載されていません。

「Echo Frames」の価格は約179ドル、導入期間終了後は249ドルになる予定です。執筆時点、販売は招待者を対象に北米限定で行われています。

Bose Frames(音声中心)

Bose Frames」は、音楽機器メーカーのBoseによるARを実現するスマートグラスです。一般的なサングラスと同じ型で、左右のつるには小型スピーカーを搭載。デバイスからの音と周囲の音を同時に把握できます。

音楽再生や通話、GPSやモーションセンサーを利用した音声ナビなどが利用できます。また、GPSを活用した位置情報機能とモーションセンサーによりユーザーの進行方向を検知し、音による情報発信も可能。たとえば、「frames」を着用したユーザーがレストランを視界に入れると、レストラン情報を音声で確認できるといったことができます。

「Frames」の価格は27,500円(税込)。オプションとして交換レンズ(偏光レンズが3,850円、非偏光レンズが2,750円)が選択・購入できます。


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