中国の通信機器メーカーとして知られるファーウェイ(Huawei)は、新型スマートフォン発表会の中で「スマートグラス」を発表しました。電話やオーディオ機能を備え、デザイン性を重視しユーザーが使ってみたいと思える製品にしたということです。
オーディオ機能を持つ「スマートアイウェア」
デバイスは、ファーウェイが韓国のメガネブランドGentle Monsterと提携して開発しました。ファーウェイはデバイスを「スマートアイウェア」として紹介。メガネのつる部分に、デュアルマイク、消音スピーカー、ワイヤレスアンテナ、バッテリー、充電モジュールを備えています。またIP67の防水/防塵性能を有するということです。
(ファーウェイのプレゼンテーション、スマートアイウェアについては1時間50分頃)
しかしこれらのスペックの他、詳細は明らかにされていません。プレゼン動画から分かるのは、どうやらこのスマートグラスはブルートゥースのヘッドフォンのような役割を果たすようだ、ということです。ユーザーはスマホの電話着信や発信を行ったり、音楽を聞いたりするために使用できます。
ターゲットはスナップチャット
プレゼンの中でGentle MonsterのCEO Hankook Kim氏は、「Snapchat(スナップチャット)」を運営するSnap社のカメラ付きサングラス「Spectacles」を引き合いに出して説明しました(但し同氏が2018年のモデルとして提示したデバイスは、実際は2016年発売のオリジナルの製品でした)。Kim氏はSpectaclesを、今回のスマートグラスのターゲットだとしています。
「(Spectaclesは)とてもスマートな製品かもしれません。でも、ここにいる方々で使ってみたい人はどれだけいるでしょう?」とKim氏は疑問を投げかけました。そして強調したのが、デバイスのデザインの重要性です。
「ひょっとすると(Snap社は)スマートアイウェアはスマートフォンやスマートウォッチと違う、ということを忘れているのではないでしょうか。スマートフォンはポケットに入れ、スマートウォッチは手首につけますが、スマートアイウェアは顔に乗せるものです。そして人間は、顔の見た目を非常に気にします。(中略)我々は、スマートアイウェアへのアプローチ方法を変えなければならないのかもしれません」
Spectaclesとファーウェイ、単純比較はできない
ただしSpectaclesとファーウェイのデバイスを単純に比較するのには注意が必要です。Spectaclesがいわば「カメラ付きサングラス」である一方、ファーウェイのスマートアイウェアが提供するのはオーディオ機能のみ。デバイスの設計方法は異なってきます。
デモ動画から分かる両者の共通点はデバイスをタップする操作だけと見られ、比較対象として適切かは疑問視されます。
ファーウェイのスマートアイウェアと似ているのは、Boseの眼鏡型デバイス「Bose AR」の方がまだ妥当かもしれません。「Bose AR」はスマートフォンと接続し、通話用のマイクなどの機能を利用することができます。視界に合わせて音声ガイドを行うなど耳から入ってくる情報や経験を拡張します。
ファーウェイは2019年後半にこのスマートアイウェアをリリースするとしています。価格や正確なリリース日についてはアナウンスしていません。
(参考)Next Reality