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トレーニング・研修 2018.05.28

自動車と自転車お互いの視点をVR体験 安全な共存促す

日本でも通勤などに自転車を利用する人は増えています。自動車、自転車の乗り手が増え、同じ道路を走っていれば、事故になりかねない出来事も増えていきます。

自動車メーカーとして広く知られるフォードは、VRコンテンツを使った新たな交通安全キャンペーンを開始しました。「Share The Road」と名付けられたこの取り組みは、道路の利用者相互の理解を促すものです。より多くの人に安全に移動してほしいという同社の思いも示されています。

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自動車運転手、サイクリストが互いの視点を体験

フォードが製作したのは、「WheelSwap」というVRコンテンツです。自動車の運転手とサイクリストが、思いやりのない自動車・自転車の運転が引き起こす危険(ヒヤッとするようなものから、致命的なものまで)を理解する内容になっています。

「WheelSwap」では、自動車の運転手はサイクリストの視点から見た様子を体験できます。そして、追い越す際にぴったり近づいたり、合図なしに車線変更したり、確認せずにドアを開けたりといった行為が、サイクリストにとってどれだけ恐ろしいかを理解できます。

別のバージョンでは、サイクリストが自動車の運転手の視点を体験。赤信号に突っ込んだり、一方通行の道を逆送したり、急に進路を変更したりといった行動がドライバーにどのような思いをさせるか、VRによって相互に理解を深めます。

9割以上が「運転の仕方を変える」と決意

欧州5か国、1,200人以上の人が参加した実験において、このVRコンテンツの効果が示されました。「WheelSwap」を体験したうちの7割は、体験しなかった人に比べ、立場の異なる道路の利用者により深い共感を示したのです。

それだけでなく、体験者の91%は自身の運転の仕方を改めようという意思を示しました。そして視聴から2週間の経過後も、60%の人は実際に日々の運転の仕方を変えていました。

コンテンツ開発に携わった行動科学者のDan Berry氏は「他者の立場を理解するには、実際にその相手の視点に立つのが一番です。共感、というのは非常に強力な感情です」と話しています。

https://www.youtube.com/watch?v=Xic8W48LxUc

フォードは現在、このVRコンテンツを自社の運転トレーニングプログラム「Ford Driving Skills for Life」に組み込んできます。このプログラムは無料で17歳から24歳のドライバーに提供され、危険予知や運転方法、スピードや車間の維持といったことを学習できます。

また同社は、YouTubeで「WheelSwap」を公開し、道路での安全について役立つヒントを提示しています。動画はフォードの公式ウェブサイトでも視聴可能です。

VRコンテンツで他者の視点を体験し、交通安全等に繋げる取り組みは日本国内でも見られます。Mogura VRでは、NTT西日本と大阪府警の実証実験や、JAFの360度動画といった事例を紹介しています。

(参考)wheels24


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