「Roblox」が2021年のデータを公開。17歳以上のユーザー人口が急成長中、単一エクスペリエンスへの訪問回数は最多で122億回超

2022年5月、オンラインゲームプラットフォーム「Roblox」の公式ブログにて、2021年の「Roblox」に関する様々なデータの日本語版が公開されました(※英語版は1月公開)。デイリーアクティブユーザー（DAU）にして約5,000万人を集めるに至った「Roblox」の、人気ゲームジャンルやユーザーの年齢層、訪問回数などが明らかにされています。

2021年の「Roblox」人気ジャンルは？

2021年の「Roblox」では、26,953件のエクスペリエンス（※Robloxにおける公開コンテンツの呼称）の訪問数が10万回以上に達し、107,737件のエクスペリエンスの訪問数が1万回以上に達したとのこと。そして、人気ジャンルのトップ5は以下の通りであると発表しました。

1. ロールプレイ
– ユーザーが特定のキャラクターになる体験、あるいは人生での一幕をシミュレーションに的を絞るか、キャラクターのカスタマイズをメインにしているもの

2. アクション
– サブジャンルでの人気は以下の通り。
— 戦闘とサバイバル: 敵との戦闘のある体験、またはユーザーが自分のキャラクターを生き延びるようにするもの
— 殺人ミステリー: 参加者がグループの一員として、主に善悪それぞれのキャラクターが勝利を目指し、各人に与えられた「ミッション」を完了するために特定の役割を割り当てられるもの

3. シミュレーター
– ユーザーが特定のアイテムを集めたり、エクスペリエンスをアップグレードするために繰り返しクリックする、様々なアクティビティをシミュレーションするもの

4. プラットフォーマー/オービー（障害物）
– ユーザーが多様な地形や空中プラットフォーム、または溶岩のように、様々な危険のある障害物コースを完走しようとするもの

5. タイクーン
– ユーザーが別々の勢力を構築し、アップグレードするためにお金を稼ぐ、現実世界のアクティビティをシミュレーションしたもの

特にリアルな生活をシミュレーションするエクスペリエンスが2021年で人気となり、「ブルックヘイヴン（Brookhaven）」はその代表格とのこと。アニメ関連やホラー要素を持つエクスペリエンスは2021年に激増しており、新たに発表された「Anime Fighters Simulator」や「The Mimic」は何億回も訪問されています。

さらにファッションブランドや音楽業界と提携して開催された、ファッションショーや楽曲のローンチパーティーも大きな人気を博しています。

2021年、「Roblox」で最も多く訪問されたエクスペリエンスは？

2021年に「Roblox」にて最も多く訪問されたエクスペリエンスのトップ10は以下の通り。

1. ブルックヘイヴン（Brookhaven）
2. タワーオブヘル（Tower of Hell）
3. アダプトミー！（Adopt Me!）
4. ミープシティ（MeepCity）
5. ロワイヤルハイ（Royale High）
6. ベッドウォーズ（BedWars）
7. ブロックスフルーツ（Blox Fruits）
8. ピギー（Piggy）
9. 殺人ミステリー2（Murder Mystery 2）
10. オールスタータワーディフェンス（All Star Tower Defense）

このうち、訪問数1位の「Brookhaven」は、2021年だけで122億回以上訪問されています。

また、2021年に「Roblox」にて収益が多かったエクスペリエンスのトップ10は以下の通り。

1. アダプトミー！（Adopt Me!）
2. ブロックスバーグへようこそ（Welcome to Bloxburg）
3. ブルックヘイヴン（Brookhaven）
4. マーダーミステリー2（Murder Mystery 2）
5. ロイヤルハイ（Royale High）
6. ブロックスフルーツ（Blox Fruits）
7. ジェイルブレイク（Jailbreak）
8. シンドライフ（Shindo Life）
9. オールスタータワーディフェンス（All Star Tower Defense）
10. グランドピースオンライン（Grand Piece Online）

「Roblox」国ごとに人気のコンテンツは？

また、国ごとに人気のエクスペリエンスが少しずつ異なることもレポートでは記されています。

アメリカ：「ブロックスバーグへようこそ」と「シンドライフ」
イギリスとドイツ：「クラブロブロックス（Club Roblox）」
ドイツ：「タワーオブミゼリー（Tower of Misery）」
日本：「エスケープラニングヘッド（Escape Running Head）」と「トワイライトデイケア（Twilight Daycare）」
韓国：「ベッドウォーズ」が訪問数最多、「アイランズ（Islands）」と「キングレガシー（King Legacy）」が次点

また、エンゲージメント時間が長い国のトップ10は以下のようになっています。Robloxはレポートにおいて、このトップ10のリストに関し「特定の市場においてRobloxが代表的な社交の場所になっている」「少なくともユーザーがRobloxで数億時間を過ごし、トップ7では10億時間以上過ごしている」とコメントしています。

1. アメリカ
2. ブラジル
3. イギリス
4. フィリピン
5. メキシコ
6. ロシア
7. タイ
8. ドイツ
9. カナダ
10. トルコ

17歳以上のユーザーについて

また、「Roblox」のユーザーを「13歳以下」「13歳〜17歳」「17歳以上」の3つ層で分けた場合、各年齢層で共通して人気なエクスペリエンスが存在しており、特に「Brookhaven」は各年齢層トップの人気を獲得しているとのこと。2020年から2021年の間に、人気のエクスペリエンスは17歳以上のユーザーを獲得しており、一部の作品は訪問者の40%以上が17歳以上となっています。

17歳から24歳の年齢層は「Roblox」でも急成長中のユーザー層であり、開発者コミュニティはこの年齢層向けの市場を開拓しています。特に2021年に行われた音楽アーティストやファッションブランド等とのコラボレーション（グッチガーデン、ナイキランドなど）は、いずれも何百万ものアクセスがあり、その3分の1は17歳以上でした。

「Roblox」ユーザーの自己表現やコミュニケーションは？

当社のビジョンは、Robloxでは人がなりたい自分になれるということです。

Robloxはレポートにおいてこのように述べた上で、2021年中のユーザーの自己表現やコミュニケーションについて、以下のようにレポートにまとめています。

・Robloxのコミュニティによって、2,500万点以上のバーチャルアイテムが作成されました。
・累計58億点以上のバーチャルアイテム（無料・有料問わず）が獲得されています。
・1,650億以上のアバターがアップデートされました。
・5人中1人のデイリーアクティブユーザーが、自分のアバターを毎日アップデートしています。なおアバターのほとんどのアップデートは身体と顔で、次点はアクセサリです。
・約25億回分のチャットメッセージが送信されました。

また、ユーザーが使用するアバターバンドルのトップ10は以下となっています。レポートでは、「女性キャラクターのリンリンが2021年で最も獲得数が多かったアバターランキングの1位となり、10体中5体が女性キャラクターでした」と説明されています。

1. リンリン
2. ジャンクボット
3. レッドクリフの騎士: パラディン
4. デニー
5. デニス
6. シティライフウーマン
7. ROBLOXガール
8. オリバー
9. リンジー（Lindsey）
10. シンディ

開発者とクリエイターについて

「Roblox」のクリエイターについては、以下のような説明がされています。

当社のクリエイターコミュニティは170ヶ国から集まり、あらゆる種類の人たちを網羅し、まったく違う文化背景や属性を持ち、それがプラットフォーム上で作られるコンテンツに反映されています。

このコミュニティは、よりインクルーシブなメタバースを切り開く上ですでに立役者となっていて、無料没入型制作エンジンであるRoblox Studioを初めて使った新規のクリエーターの数の増加率が1年で3桁に急増しました。

全体的な女性のクリエーターの割合（アクティブなStudioユーザー数に基づく）は増加中です。こういった傾向は、Roblox Studioを初めて使った女性のユーザーの成長率がすでにかなりの成長率があった新規の男性クリエーターの成長率を上回るなど、コロナ禍でさらに加速が見られました。

具体的な数値として、「Roblox Studio」を新しく使い始めた女性クリエイターの数は一年で353%の成長率となり、男性クリエイターは一年に323％の成長率だったことが挙げられています。また、人気のコンテンツジャンルはジェンダーアイデンティティを問わず「ロールプレイ」であり、男性は「アクション」と「シミュレーター」、女性は「ロールプレイ」の人気が高いとのこと。性別を明記しなかったグループはやや異なり、女性ユーザーに人気の「ロワイヤルハイ」と男性ユーザーに人気の「ブロックスフルーツ」が人気トップ5に入っています。

「Roblox」の開発者の数のトップ10は以下となっています。