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メタバース 2022.07.27

特集: 今から覚える「Roblox」。膨大なユーザーとコンテンツ、日本への本格展開も?

レゴブロックの人形キャラクター(ミニフィグ)のような雰囲気のアバターが集い、数多のコミュニケーションが行われている「Roblox(ロブロックス)」。近年は、いわゆる「メタバース」のカテゴリーのひとつとして取り上げられることが多いサービスです。

最近はYouTubeで見かけたりすることもあって、気になっている人も多いはず。しかし、これまで日本ではイマイチ大きなムーブメントが起こらなかったこともあり、どういった規模感なのか、どういった要素のサービスなのかをすぐには理解しづらいところがあります。そこで、「今から覚えるRoblox」として、キーポイントをいくつかご紹介しましょう。

ポイント1: Robloxは「ゲーム版のYouTube」?

Robloxは大人数が同時ログイン可能で、ゲーム内ゲームで遊んだり、PC用アプリを使って誰でもゲームを作って公開することができるオンラインゲーミングプラットフォームです。いわゆるUGCとしての性質を評価され、「ゲーム版のYouTube」と呼ばれることもありますね。

RobloxのアナリティクスサービスであるRTrackによれば、公開されているコンテンツ数は583万本にも及びます。参考までにiPhone/iPadのアプリ数(App Store登録本数)は約173万本、Androidのアプリ数(Google Play登録本数)は約357万本(アプリ調査会社42matters調べ)。圧倒されませんかこの数字。ジャンルも対戦格闘ゲームやアドベンチャーゲーム、育成シミュレーションにフットサル、鬼ごっこ、そして他の人気ゲームを模したものなど、多岐にわたります。


(日本語化されているものもありますが、プレイヤー層は米国やブラジル、イギリス、フィリピン、メキシコ等が中心ゆえ、公開されているコンテンツが「機械翻訳をとりあえず通しました」レベルのものがまだ多いのが現状。ですがルールが簡単なものが多く、じゅうぶん遊べます)

一方でコンテンツの品質はまさしく玉石混交。圧倒的に「カジュアルに遊べる、ちょっとしたゲーム」の方が割合としては多く、またときどき「これはちょっとマズいのでは?」と思うコンテンツを見かけることもあったりします。これはUGC特有のカオスさがあるとも言えます。

ポイント2: 2006年から続く「歴史ある存在」

実は歴史が長いRoblox。2003年に開発がスタートし、2004年にはクローズドベータテストが開始。2006年にWindows用サンドボックスゲームとして正式に公開されました。さらに大元を辿ると、現在のCEOであるDavid Baszucki氏が1989年に立ち上げた物理シミュレーションソフトウェアの専門企業に遡るのだとか(参考: YouTube)。

しばしば「Robloxのライバル」とされがちな「Minecraft(マインクラフト)」は2009年より開発がスタート&α版が公開、2011年に正式公開されました。後か先かで言えば「Roblox」の方が先に出たのですね。

なお両者はゲームの楽しみ方の根幹から大きく異なります。似ているところと言えば、ベースとなるアバターの簡素さや、若年層を中心に幅広く親しまれていることくらいでしょうか。ソロ中心でも遊びやすいマインクラフトと、MMO的コミュニケーション中心のRobloxでは大きく体験は異なります。


(最初期である2006年のベータ版トレイラー。今とはまるで違う見た目とゲームシステムです。YouTubeより引用)

なおRobloxのiOS版は2012年、Android版が2014年と、早い段階からスマートフォンでも遊べるようにモバイルアプリを整備してきたことから、海外を中心に高い支持を得ています。

ポイント3: 1日にアクセスするユーザー数は約5,000万人

Robloxは「Fortnite」や「Apex Legends」といったゲームよりも多くのユーザーを引き付けています。Robloxの日間ユーザー数(DAU)は、2021年のデータによれば180か国で約5,000万人! また2021年10月の月間ユーザー数(MAU)は2億2,600万人(※RTrack調べ)となっており、毎日1,700万ものフレンド申請と、約25億回ものチャットメッセージが飛び交っているそうです。


(アクセス数Topはさすがに米国。次点はブラジル、イギリス、フィリピン、メキシコ、ロシア、タイ、ドイツ、カナダ、トルコと続きます)

これだけ巨大なオンラインゲーミングプラットフォームゆえに、現実世界の友達よりも、Roblox上の友達のほうが多いという子供たちもたくさんいることでしょう。なお2020年第2四半期頃からユーザー数が大幅に増えているため、世界的なコロナ禍によるステイホームが、Robloxに多くのユーザーを集めるきっかけになったと考えられます。

ポイント4: 17歳から24歳のユーザー層が急成長中

デジタルマーケティングのスペシャリスト、BacklinkoのBrian Dean氏によるブログによると、日間ユーザー数の28%はアメリカとカナダのユーザーが占めており、ヨーロッパ圏も同等のユーザー数がいると書かれています。

またユーザーの67%は16歳未満で、25歳以上は14%のみ。しかし公式ブログでは「17歳から24歳のユーザー層が急成長中」と記されており、いわば「青年層」にも普及が始まっていることがうかがえます。スポーツブランドのナイキが「NIKELAND」を、ファッションブランドのグッチが「Gucchi Town」を展開するなど、企業コラボの対象となる年齢層も徐々に上がってきている予感。

ポイント5: 実はリアルマネーが稼げるプラットフォーム

Robloxの大きな特徴として欠かせないのが、ゲーム内通貨であるRoBux(ロバックス)を稼ぎ、さらにはアメリカドルに換えるシステムが備わっていることです。RoBux(ロバックス)を稼ぐためには、Roblox内で遊べるゲーム・アクティビティを作る、もしくはアバターデザイン・バーチャルファッションなどのバーチャルアイテムを作るという2つの方法があります。


(現金に換金できる「Developer Exchange」が始まったときのブログより引用。ロゴが以前のものであることがわかります)

ここからゲーム・アクティビティのプレイ料金、拡張機能や開発ツール、バーチャルアイテムの販売によって、開発者は収益を得られます。上述のBacklinkoによれば開発者の99.47%が年間1,000ドル未満、0.3%が1,000~10,000ドル、0.1%が10,000ドル以上の収益を稼いでいるそうです。

自分で作ったクリエイティブによって収益が得られるシステムは、YouTubeやTikTok、Instagramなどのサービスと似ています。Twitterも注目度の高いユーザーに利益を還元するシステムを導入しており、こういった対価が得られるUGCサービスは昨今注目が集まっています。

Q. それで、日本は? A. これから!

Robloxは日本では近年になってから注目されてきた存在ゆえに、まだ限られたユーザー数しかいないものと予想されます。

しかしYouTubeが遊んだりする風景や、一部のご家庭ではお子さんが影響を受けて遊び始めるケースも散見されるようになりました。公式ブログが日本語をサポートし始め、AmazonでもRobloxのギフトカードが購入できるようになったことから、日本の市場も重視しはじめているとみて間違いなさそうです。


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