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メタバース最新動向 2024.02.20

Mozillaの「Hubs」が閉鎖を発表。積極的なコミットやサーバー提供を終え、コミュニティ版へ移行

2月15日、Mozillaはメタバースプラットフォーム「Mozilla Hubs」の閉鎖を発表しました。2024年5月31日以降、Hubsの有料サブスクリプションサービスやデモサーバーを停止し、MozillaはHubsのコードやコミュニティへの積極的なコミットを終了。今後はオープンソースなコミュニティ版へ移行します。


(「Mozilla Hubs」で作られたシーン等の一例。デモ用のサーバーに限定しても、11万体以上のアバター、21万以上のシーンが作成・アップロードされ、延べ利用者数は1,000万人を超えていた)

サービス提供やコミットを終了し、「コミュニティ版」へ移行

「Mozilla Hubs」は2018年にリリースされた、WebブラウザやVRヘッドセット向けのメタバースプラットフォームです。ユーザーがインスタンスを設置・運用できるほか、AWS(Amazon Web Services)を経由したホスティング等にも対応しており、個人・企業問わず、メタバースを利用するための手軽な選択肢として知られています。

今回、Mozillaは「Mozilla Hubs」を複数の段階に分けて閉鎖します。具体的には、2024年3月1日以降、新たなサブスクリプションの追加が不可能になります。続く4月1日にはHubsのデータをダウンロード・保存できるツールがリリースされ、5月31日以降はすべてのサブスクリプション、およびデモサーバーが停止されます。これに合わせ、Mozillaによるサポート等が終了します。


(ユーザー自らがAWS上でホスティングできる「Hubs Cloud」は、既にコミュニティ版への移行を進めており、開発者用のドキュメント等も整備され始めている)

Mozillaによれば、今回の「Mozilla Hubs」の閉鎖は「2024年2月13日に実施された組織全体の再編が影響を与えた」とのこと。また、Mozillaは2023年10月、AWS向けの「Hubs Cloud」提供の終了を告知し、既にユーザーへのコミュニティ版への移行を促していました。


(Mozillaのスタッフは「Mozilla Hubs」の終了にあたり、これまでにコミュニティ用Discordへ投稿された、画像のような多数のサポートや提案に対し、感謝の意を述べた)

Mozillaは本発表に際し、公式Discordで、「Mozilla Hubs」のコミュニティ版や他プラットフォームへの移行に向けたチュートリアルの投稿を促しています。またユーザーがアップロードした3Dモデルやオーディオファイル、画像ファイル、動画ファイル等をダウンロード/エクスポートするためのシステムを準備中であり、ユーザーや開発者の移行をスムーズにする意図がうかがえます。

(参考)Mozilla [1], [2]


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