チップセットメーカーのクアルコムは2022年5月20日、AR/VR専用チップセット「Snapdragon XR2」を搭載した「ARスマートビューワー」の第2世代リファレンスモデルを公開しました。第1世代はケーブルでの接続が必要でしたが、第2世代は無線で動作するように。さらに40%薄型になり、重量バランスも改善されています。
無線化に加えて軽量化、6DoFトラッキング・ハンドトラッキングも
発表されたリファレンスモデルは「ARスマートビューワー」と互換性のあるスマートフォンやPC、パックコントローラと有線接続する必要がなくなり、無線で動作します。クアルコムのプラットフォーム「FastConnect 6900」と新しい「FastConnect XR」ソフトウェアを組み合わせることで、「商業的に利用可能な最速のスピードと拡張性」を実現。具体例として、スマートフォンからの遅延は3ms未満に抑えられているとのことです。
また新しい「FastConnect XR」ソフトウェアによって、レイテンシーに影響を及ぼさない専用の低電力モードも搭載。トラフィック制御とチャネル接続により、M2R2P(motiontorender-to-photon)レイテンシーの改善やジッターの低減、不要な干渉の回避を実現しています。
デバイス本体も全体的に40%薄型化され、重量配分も改善。片目あたり解像度は1920×1080、最大90Hzのフレームレートを可能にするマイクロOLEDディスプレイを搭載し、シームレスなAR体験のためにモーションブラー軽減も搭載されています。トラッキングは2つのモノクロカメラと1つのRGBカメラにより、6DoFでのトラッキングとハンドトラッキングが実現しているとのこと。一方で小型化のためか、バッテリー容量は650mAhとかなり控えめな数値です(例:一体型VRヘッドセット「Meta Quest 2」は公称3,640mAh)。
クアルコムによれば、今回発表されたリファレンスモデルは一部のパートナー企業や組織向けに提供を始めており、今後数カ月でより多くのパートナーへ提供される予定です。
(参考)Qualcomm