半導体大手のQualcomm(クアルコム)はVR/AR用のSnapdragon XR1 Platformに基づく初のARリファレンスデザインを発表しました。「Snapdragon XR1 AR Smart Viewer Refence Design」は、高性能、没入体験、低消費電力を謳い、デバイスメーカーの開発期間短縮を実現します。
消費電力低減、バーチャルPCウィンドウにも
このARスマートビューアーリファレンスデザインは、スマートフォン、Windows PC、プロセッシングパックに接続するもので、Snapdragon搭載デバイスとの接続に最適化されています。
処理能力を搭載していない(編集注:スマホやPC、外部ユニット等に接続しない)シンプルなARビューアーと異なり、計算処理の負荷をホストデバイスと分担することが可能です。
主な機能・特徴は下記の通りです。
・ホストデバイスとの処理分担により、シンプルなARビューアーと比較してシステムで30%消費電力を低減。
・複数のバーチャルディスプレイの中でスマートフォンのアプリケーションを利用したり、ARスマートビューアーで映画やストリーミングサービスを視聴可能。
・PCとの接続により、複数のバーチャルPCウィンドウを利用可能。
・リモートアシスタントのようなハンズフリーのユースケースを提供。
・ジェスチャー認識の6DoFヘッドトラッキング・ハンドトラッキングに対応。
ハードウェアはGoertekが開発
リファレンスデザインには、BOE社のマイクロOLED両眼ディスプレイを採用。フレームレートは最大90Hzでモーションブラー(動きぼけ)が無く、シームレスなAR体験を提供します。
なおハードウェア自体は中国のGoertekが開発しました。メーカーはリファレンスデザインを活用することにより、ARスマートビューアーを短期間で開発することが可能です。
リファレンスデザインは現在一部顧客に提供中で、今後数か月でその対象を拡大するとしています。詳細は製品情報ページから。
「XRビューアー」計画に大手キャリアら参画
クアルコムは2020年5月、AR/VRグラスとスマートフォンを接続して動かす「XRビューアー」の提供計画を発表しています。こうした仕組にはグラス型ARデバイスNrealLightやパナソニックのVRデバイスプロトタイプがあり、同計画には日本のNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクら通信キャリアも参画しています。
(参考)Qualcomm