Home » Googleの「Project Starline」に続報。早期アクセスプログラムによりテスト企業を拡大中。SalesforceやWeWorkにも


業界動向 2022.10.12

Googleの「Project Starline」に続報。早期アクセスプログラムによりテスト企業を拡大中。SalesforceやWeWorkにも

Googleは10月11日、開発中の新技術「Project Starline」に関して、パートナー企業へのテスト版導入拡大を発表しました。「Project Starline」は「遠くにいる人同士がまるで目の前にいるかのようなコミュニケーションの実現」を目的とした技術プロジェクトです。

すぐ近くに実在するかのような再現性

「Project Starline」は、2021年5月に開催のGoogle I/Oにて開発が発表された新しい技術プロジェクト。一見ただの等身大のビデオ通話のように見えますが、裸眼立体視が可能な「ライトフィールドディスプレイ」を使うことで、ヘッドセットなどのデバイスを装着することなく、会話相手(の3Dモデル)を立体的に見ることができます。

「Project Starline」では、ユーザーの目の前に置かれた高解像度のカメラと深度センサーを組み合わせ、リアルタイムで3Dキャプチャ。生成された3Dモデルを100倍以上に圧縮して伝送し、ライトフィールドディスプレイに投影することで、リアルタイムで3Dでのビデオ通話が可能になります。

Googleは「このテクノロジーは魔法の窓のように機能し、ユーザーは等身大で3次元の別の人と話したり、ジェスチャーをしたり、目を合わせたりすることができます。この技術は、機械学習、コンピュータビジョン、空間オーディオ、ライトフィールドディスプレイシステムなど、さまざまな分野の研究の進歩によって実現されました」とのコメント。その先進性を強調しています。

SalesforceやWeWorkなどにテストを拡大中

開発当初からGoogle社内でテストが行われています。現在では、全米のGoogleオフィスにプロトタイプが設置され、毎日の会議、社員の入社式などで使用されている、とのこと。Googleは、社内使用の結果として「『Project Starline』は、従来のビデオ通話と比較して、従業員の存在感、注意力、生産性を高め、対面している相手とのつながりを感じられるなど、自然な対話ができたと評価されています」とコメントしました。

今回の発表では、早期アクセスプログラムを通じて、社内テストをパートナー企業へ拡大している旨が明らかにされています。現在、導入企業にはSalesforce、WeWork、T-Mobile、Hackensack Meridian Healthなどが列挙され、今年からは一部のパートナーのオフィスにプロトタイプを設置して定期的なテストを開始する見通しです。

2023年には、早期アクセスプログラムでのレポート公開を予定。製品化に向けた具体的な動きが期待されます。

(参考)Google the Keyword


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード