パナソニックは、”視覚障がい者をサポートするスマートグラス”を発表しました。スペインのスタートアップ企業のBiel Glassesと共同開発し、米ラスベガスで開催中のCES 2023にてプロトタイプを初展示しました。
弱視をMR技術で支援
今回発表された共同開発製品は、パナソニックが同社傘下のShiftallと開発した小型・軽量、5.2K HDR 対応のVRデバイス「MeganeX」とBiel Glassesの弱視者支援技術を統合したスマートグラスのプロトタイプです。視野の一部に喪失があるユーザーに対してスマートグラスが映像処理等を行うことにより、障害物やその他の危険を認識をサポート。自律的な移動を補助します。本製品の主な特徴は下記の通り。
1. 自律移動を支援
AIとロボティクス技術により、カメラとセンサーで捉えたシーンを分析し、障害物、段差、穴などの移動の際の危険を検出。MR技術により、使用者の残りの視力に合わせた映像表示を行います。2. 視覚特性に合わせた視覚情報サポート
検眼士が、視覚障害の状況や必要性に応じてスマートグラスの機能を調整します。最適な映像処理(ズーム、照明への適応、コントラスト強調など)で、視力を支援します。3. 装着負担の軽減
スマートグラスの映像表示にμOLEDディスプレーとパンケーキレンズを採用することで、小型・軽量、低消費電力を実現しています。これにより動きやすく、装着の負担を軽減します。
本プロトタイプは、2023年1月5日から1月8日に開催される「CES2023」の両社ブースにて参考展示されました。
事業化に向けて研究を進める
今回パナソニックが提携したBiel Glassesは、2017年創業のバルセロナを拠点とするスタートアップ企業。AIとロボティクス技術で現実世界を理解し、複合現実技術で患者の残りの視力に適応させる技術を研究しています。同社は視覚障がい者の”自由な移動”を支援することで、自律性の向上を図るスマートグラスの開発を目指しています。
今後も両社は研究開発を進め、弱視支援サービスの事業化に向けて、必要な技術開発と臨床検証を進めていくとのことです。
(参考)プレスリリース