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活用事例 2022.09.30

住商・イマクリエイト・InnoJin、三社で「小児向けVR弱視治療アプリ」を共同開発。2025年度中の承認申請目指す

9月29日、住友商事株式会社、デジタル医療研究・開発のInnoJin株式会社イマクリエイト株式会社は、小児患者向けVR弱視治療用アプリの共同開発に合意し、臨床研究用プロダクトが完成した、と発表しました。今後、臨床研究、治験、薬機法に基づく承認取得を進め、2025年度中の承認申請を目指します。


(参考資料:けん玉を用いたVR治療用アプリのイメージ)

医師処方の治療用アプリで、弱視への効果期待

今回、3社が開発したVR弱視治療用アプリは、VR上で左右の眼に異なる映像を表示することで、現在の主流であるアイパッチ治療と同等の治療効果の実現を目指すもの。

治療用アプリとは、デジタル技術を活用して、特定の疾患の治療を行うソフトウェアを指します。既存医薬品による完治が難しい疾病に対し、生活習慣の改善や認知・行動の変容、器官への直接的な刺激を与えて治療効果をもたらす新しい治療方法であると期待されています。なお治療用アプリは、医療機器として医師が処方、薬機法に則った承認取得後の保険適用も見込まれます

3社によると、VR弱視治療用アプリは、ゲームや動画視聴など子どもが自然と夢中になれる内容で治療が行えるため、効果的かつ患者家族への負担が少ない治療の実現が可能、とのこと。眼と手の協応運動による立体視訓練やアプリの使用時間記録により、従来の治療よりも効果的な治療計画の立案を促進できるとしています。今後、3社は治験および薬機法に基づく医療機器承認取得を進め、2025年度中の承認申請を目指します。

(※弱視とは視力の発達が障害されて起きた低視力を意味し、眼鏡をかけても視力が充分でない場合を指します。)

あらゆる医療分野での活用が進むVR技術

医療分野ではさまざまな場面でVR技術を活用する動きが広まっています。脳に損傷を受けた患者に対する治療への活用や、医療従事者に向けたトレーニングへの導入など、国内外問わず多くの活用事例が報告されています。

またメンタルヘルスの分野でも「安全でアクセスしやすいセラピー空間の構築」にVRが活用され、今後も医療分野でのVR活用は増えていく見通しです。

(参考)プレスリリース


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