フェイスブックは、一体型VRヘッドセット「Oculus Quest」向けコンテンツ戦略の変更を発表しました。デベロッパーは2021年から、現在設けられている厳格な審査を受けず、すべてのユーザー向けにアプリを配信可能となる見通しです。
2021年初旬から審査不要に
この内容は6月23日、開発者向けブログ記事で公開されました。フェイスブックは現在のコンテンツ審査の仕組がうまく作用し、10作品以上が200万ドル(約2億1,000万円)の収益を達成している点に言及。しかしエコシステムの健全化と持続性のために、開発者へ”新たな道”を開くことを表明しました。
具体的には2021年初旬から、コンテンツを配信する新しいルートを設けるとのことです。この「新しいルート」では、Oculus Storeによる審査を受ける必要や、サイドローディング(※)アプリを使う必要もありません(原文:“This will enable developers to share their apps to anyone with a Quest, without having to be accepted into the Oculus Store, and without the need for sideloading.”)。
(※サイドローディング:正規のアプリストア(この場合はOculus Store)以外から、アプリを入手しインストールすること)
フェイスブックはこのシステムにより、アプリがより広くシェアされることや、アーリーステージのコンテンツのテスト機会になることを期待しています。なお、Oculusのプラットフォームポリシーやコンテンツポリシーについては、引き続き遵守が求められます。
「SideQuest」隆盛が背景?
Quest向けコンテンツ審査が変化するとの動向は、2020年3月に報じられました。その際背景として論じられたのは、フェイスブック社が審査で却下したコンテンツが、ときにサイドローディングアプリ「SideQuest」で人気を集める、という現状です。
フェイスブックは今回のブロク記事内でも「我々は多くの開発者や熱心な人(訳注:VRユーザー)が、より簡単にビジネスを行ったり、アプリを配信したりするOculus Store以外の方法を求めている、と聞いています」と触れました。
新たなチャネルの詳細は記述されていませんが、開発者・ユーザーにとっての明るいニュースとして、続報が待たれます。