「Oculus Quest 2」のハンドトラッキング機能が開発者向けにアップデートされ、「高周波ハンドトラッキングモード」が実装されました。これまでのハンドトラッキングは30Hzで動作していましたが、高周波ハンドトラッキングモードでは60Hzでの動作が可能になります。
ハンドトラッキングのクオリティ向上、使用時は設定に注意
フェイスブックは「高周波ハンドトラッキングモード」を使用することで、ハンドトラッキングのクオリティが向上するとしています。エンドツーエンドでのレイテンシは、10%軽減されるとのこと。開発者はAndoridのマニフェストファイルに以下のラインを追加することで、「高周波ハンドトラッキングモード」を有効にできます。
なお、「高周波ハンドトラッキングモード」をオンにすると、低光量の環境ではジッター(Jitter)がわずかに増加します。フェイスブックは、この問題は将来的にソフトウェア・アップデートで解消される予定である、としています。
また「高周波ハンドトラッキングモード」は、通常の2倍の速度でカメラ映像を処理するため、バックグラウンドでの演算能力をより必要とします。フェイスブックは、場合によってはOculus Quest 2本体のオーバーヒートと突然のシャットダウンを招く可能性があるとして、OculusアプリからCPUレベルを3、GPUレベルを2に設定すること(ダウングレード)を推奨しています。
これらの条件から、実際のアプリで「高周波トラッキングモード」を動作させるには、開発者による最適化作業が必要となるでしょう。一般ユーザーが60Hzでのハンドトラッキングモードを使えるようになるまで、もうしばらくの時間がかかりそうです。
(参考)UploadVR