2017年、Oculusは同社のOculus Avatarsシステムをクロスプラットフォーム対応するという計画を発表していました。ついに先日、最新のOculus Avatar SDK 1.28がリリースされ、クロスプラットフォームへの対応が実現しました。今後はOculus以外のプラットフォームでも、Oculus Avatarsのシステムを採用することが可能になります。
Oculus Avatarsとは
Oculusは、ユーザーが自身を表すアバターを作り、Oculusのエコシステムの中で様々なゲームをまたいで使えるようにすべく、投資を行ってきました。Oculus Avatarsを使うことで、開発者は各自のVRコンテンツごとにアバターシステムを構築する必要がなくなります。
Oculus Avatarsは開始当時、その導入は限定的でした。使えるのがOculusプラットフォームのタイトルに限られていたからです。たとえばSteamVRのようなプラットフォームで公開するアプリにOculus Avatarsを採用するとしたら、Oculus Rift以外のアプリには、また別のアバターシステムを採用しなければなりません。
現在のように拡大途中のVR市場においては、クロスプラットフォームで使用できることが開発者にとって非常に重要です
Oculus Avatar SDK 1.28のリリースにより、この問題は解決されました。今後デベロッパーは、Oculus以外のプラットフォームでもOculus Avatarsを採用することが可能です。アプリをリリースするのはOculus Store、SteamVRなど、どこでも問題ありません。さらに今回の改良によって、異なるプラットフォームを使うユーザー同士が、一緒にゲームをプレイしやすくなる可能性も広がりました。Oculusは、Avatarsシステムのクロスプラットフォーム対応は「(開発者からの)最大のリクエストの1つ」だったと振り返っています。
クロスプラットフォーム対応後も残る課題
但しクロスプラットフォーム対応後も、Oculus Avatars自体はプラットフォームレベルで設定が必要で、Oculusのユーザーアカウントと紐付けられています。ユーザーがアバターをカスタマイズしたい場合は、個々のアプリ内ではなくOculus Homeから設定する必要があります。
これはつまり、Oculusのユーザーでないプレイヤーはカスタマイズしたアバターを持てないということです。その代わりに、アプリ内にデフォルトで設定されたアバターの中から選ぶことになります。
Oculusは、同社は現在「非Oculusユーザーのための、充実したアバターサポートを構築する初期段階」にあるとしています。よって、もしかすると将来的にはアバターのカスタマイズもクロスプラットフォーム対応するかもしれません。同社はまた、Oculus Avatarsシステムへの投資を継続しているとも話しています。
アバターの組み込みに関して、日本ではバーチャルキャスト社が、アバター向けのフォーマット「VRM」を提げており、採用されるアプリが増えています。
(参考)Road to VR
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