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活用事例 2023.07.27

警視庁、メタバースでサイバーセキュリティ訓練 「バーチャル秋葉原」で発信も

警視庁は、職員や産学官連携協定の関係者向けに、メタバースでサイバーセキュリティのインシデント対応訓練を行う旨を発表しました。訓練には大日本印刷のメタバース構築サービスを採用、加えて「バーチャル秋葉原」で認知啓発コンテンツも発信する予定です。


(出所:大日本印刷)

警察機関によるXR・メタバース活用は、VRヘッドセットを用いた交通事故体験犯罪者・被疑者理解コンテンツなどが存在します。VTuberを起用したPR活動国際機関によるメタバース構築も見られますが、メタバースで同時体験型の防犯イベントを開催する取り組みは、国内外でも異色。2024年1月よりスタートする見通しです。

メタバース「渋谷区立宮下公園」謎解きイベントの知見を活かす

このインシデント対応訓練には、大日本印刷の「ロールプレイング型メタバース構築サービス」が使用されます。ロールプレイングは「チュートリアル(操作方法)」「シナリオ体験」「フィードバック(体験結果に対する評価・解説)」のテンプレート(ひな型)で構成され、1グループ4名(最大10グループ)がボイスチャット機能を用いて、課題解決シナリオに協力して取り組めます。

同社によれば、このサービスには「サイバーナレッジアカデミー」(運営:大日本印刷)や「渋谷区立宮下公園 Powered by PARALLEL SITE」で行われた謎解きイベント(企画:松丸亮吾氏)のノウハウが活かされ、「地域に根差したリアル宝探し、SDGsについて楽しみながら学べる謎解き」にも応用できます。


(出所:大日本印刷。2021年に開かれた謎解きイベントの様子。協力してバグを除去し、バーチャル空間に平和を取り戻すシナリオ)

バーチャル秋葉原に「警視庁サイバーセキュリティセンター」設置も

また、大日本印刷は同発表で、株式会社AKIBA観光協議会と運営するメタバース「バーチャル秋葉原」に「警視庁サイバーセキュリティセンター」を設置し、サイバーセキュリティの認知啓発を図るコンテンツを発信するとしたうえで、「バーチャル空間イメージ」と題した2枚の画像を公表しました。


(出所:大日本印刷・AKIBA観光協議会「バーチャル秋葉原」サービス画面から抜粋)

「バーチャル秋葉原」はスマホ・PCからも接続可能なメタバースで、一般無料の「バーチャル秋葉原エリア」のほか、チケット(IDコード)の入力が必要な「神田明神CG空間エリア」があります(23/07/27時点)。参加者の限定や有償サービス提供も可能です。警視庁は、これらの機能を活かした認知啓発コンテンツの企画・制作を進めると見られます。

背景には産学官連携の「サイバーセキュリティ人材育成」

警視庁サイバーセキュリティ対策本部は2022年7月に、中央大学、明治大学専門職大学院、Zホールディングス株式会社、大日本印刷株式会社、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループと「サイバーセキュリティ人材の育成に関する産学官連携についての協定」を締結しています。

警視庁は「デジタル空間はより一層『公共空間』としての重みを持つ」とし、提携を通じて研究・教育の相互支援や人材交流を図るとしていました。


(出所:大日本印刷)

(参考)大日本印刷

(※2023/08/01/16:30……タイトルおよび本文を修正)


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