中国のスタートアップNOLO VRは、2021年1月11日からオンライン開催されている「CES2021」で、新型一体型VRヘッドセットを発表しました。このヘッドセットは市販を想定しているものではなく、パーツの組み合わせによって外部企業に製品を提供するODM(Original Design Manufacturing)製品です。
NOLO VRは、2015年に北京で創業された、VR関係の周辺機器を手掛けている企業です。125以上の許諾対象特許と、12の国際特許を有しています。2019年8月には、約16億円の資金調達を行いました。「Nolo CV1」という一体型VRヘッドセットを6DoFにするアタッチメントデバイスを展開していることで知られます。
独自技術を組み込み
今回発表されたODM製品は、PCやスマートフォンを使用しない一体型のVRヘッドセットです。視野角100度、外部センサー不要で位置トラッキングが可能な6DoF(※)などは共通です。インサイドアウトトラッキングは、2基のカメラを使用した画像認識ベースのSLAMとNOLO VR社独自の「 SodarTraq」技術(超音波を使用した位置トラッキングシステム)を組み合わせて実現しています。
チップセットはクアルコムのSnapdragon XR1、XR2など4種類のラインナップ。レンズの種類もフレネルレンズとパンケーキレンズの2種類が用意されており、最大で片目2160×2160で両目4KのVRが実現可能です。6DoFに対応したハンドコントローラー「NOLO M1」も合わせて提供されます。
(※6DoF:デバイスの向きと位置情報の両方を取得・反映できることを指す。VRデバイスではOculus QuestやPC接続型VRデバイスの大半がこれに属する。デバイスの向きだけを取得・反映する場合は「3DoF」と呼ばれる。)
6DoF用のセンサーを組み込まない従来型のソリューションも引き続き展開するほか、「NOLO CV1 Air」と呼ばれる眼鏡に近いスマホ接続型VRデバイスも展開するとのこと。
SteamVRのコンテンツをストリーミングすることでコンテンツ数確保
NOLO VRは、同社製のデバイスに対して、「NOLO Home」というアプリを提供しています。このアプリでは、PCからSteamVR対応のVRゲームをVRヘッドセットにワイヤレスでストリーミングできるとのこと。膨大な数のVRコンテンツが遊べるようになることを強調しています。