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ポケGOのナイアンティック、「惑星規模のAR」を目指した大型買収のワケ

3月31日(現地時間)、米ナイアンティックは、同じくAR関連技術を開発する6D.aiを買収した。6D.aiは非公開企業なので、買収額などは明らかになっていない。

ナイアンティックはかねてより、「Real World Platform」というAR技術基盤を開発している。6D.aiは、主にARのための空間マップ作成技術を開発している企業だ。今後両社は協力し、ナイアンティックの「Real World Platform」を開発していくことになる。

1ヶ月近く前のニュースになるが、このことはAR関連業界に大きな驚きを与えた。

両社は具体的にどのようなARプラットフォームを作ろうとしているのだろうか? 6D.aiがナイアンティックへの合流を決めた理由はなんだったのだろうか? 今回Mogura VR Newsでは、ナイアンティックと6D.ai、双方の担当者にメールインタビューを行った。

お答えいただいたのは、6D.aiのCEO兼ファウンダーで、ナイアンティックのアドバイザーに就任するMatt Miesnieks氏と、ナイアンティック・エンジニアリング担当シニア・バイスプレジデントのYuji Higaki氏だ。

「空間マップ生成」の重要性で両社のビジョンが一致

まず、シンプルな疑問だ。6D.aiはなぜナイアンティックへの合流を決めたのだろうか?

Miesnieks氏:Victor(注:6D.aiの共同設立者でチーフ・サイエンティストのVictor Prisacariu氏。ナイアンティックでもチーフ・サイエンティストを務める予定)と私が6D.aiを立ち上げたとき、私たちの使命は、コンピュータビジョンソフトウェアの問題を解決し、ARクラウド用のAPIを構築することでした。このことは、開発者がARアプリケーションを構築するのを妨げている、最も難しい課題のひとつです。

結果として弊社は、わずか数年で、スマートフォンのカメラだけで世界をデジタル化し、3Dマップを提供するプラットフォームを構築することができました。何千人もの開発者や多くの企業に使っていただいています。

我々のナイアンティックへの合流は、世界の3Dマップの構築に向けた、大きな一歩です。ナイアンティックに参加することで、ARソフトウェアの開発と研究の両方で最高の頭脳を結集することができるようになります。

ARが、本当の意味ですべてのアプリが動作するプラットフォームになるためには、開発者のニーズを中心としたビジネスモデルを持ち、エンドユーザーのニーズを中心としたコアバリューを持つ、信頼できる独立したプレイヤーによって構築される必要があります。

そのために、最終的には、ナイアンティックのミッションと価値観に大きな整合性を感じました。彼らが独立した “純粋な “AR企業であることが気に入っています。

6D.aiの技術は、ARに活用する空間マップデータを、スマートフォンのカメラから素早く構築する点にある。正確なARに空間マップは必要だが、そのデータ作成に時間とコストがかかるようだと、ARの活用の幅が狭まる。いかに空間マップを作り、複数の端末・サービスへと拡大するかが、今後大きな鍵を握っている。

ナイアンティックも、6D.aiの「空間マップ作成」技術を高く評価している。

Higaki氏:惑星スケールのARに向けた大きなマイルストーンの1つは、まず「世界の3Dマップ」を構築することです。これは、信じられないほど難しく、最先端の技術であり、世界中の研究チームが解決に向けて取り組んでいる課題であり、ARの中でも、最も重要で最も困難な問題のいくつかを含んでいます。

6D.aiが所属しているARチームの主要な取り組みは、最新のブレイクスルー研究とエンジニアリング能力を組み合わせて、この世界の3Dマップを構築し、すべての人がARの可能性から恩恵を受けられるよう、開発者コミュニティにこれらのツールを提供する最善の方法を見つけることです。

ただしナイアンティックは、それがすぐにできるとは考えていない。

Higaki氏:これは私たちの長期的な目標です。惑星規模のARを可能にするプラットフォームを構築するには、何年もの技術革新と研究が必要です。

両社は協力して「ゲーム以外」にARを拡大

ナイアンティックは、「Ingress」や「Pokémon GO」のような位置情報ゲームを提供する企業である。これまで、「Real World Platform」は同社のゲームへの活用を中心に語られてきた。しかし、今後の用途については、ゲームに限らない広範な世界を想定しているようだ。

Higaki氏:私たちはゲーム開発者から多くのことを学び、数百万人規模のアプリを提供できるARプラットフォームを構築しました。小売、ソーシャル、フィットネス、アート、ビジネスなど、ARには驚くべきユースケースがたくさんあります。

6D.aiチームとナイアンティックのテクノロジーの完全統合が完了すると同時に、私たちのチームは、誰もがARの可能性から恩恵を受けられるように、開発者コミュニティにこれらのツールを提供する最善の方法を見つけることにも注力しています。

これは、6D.aiがゲームに限らず、より広い顧客へとプラットフォーム提供を行なってきたこととも関係している。現状、6D.aiのプラットフォーム提供は一旦停止するが、そのまま提供されないわけではないようだ。

Miesnieks氏:6D.aiはナイアンティックに完全に統合されました。しかし私たちのチームは、「Niantic Real World Platform」を通じてサードパーティの開発者、パートナー、顧客をサポートする方法を模索しています。

すなわち、ゲームを超えてナイアンティックのARプラットフォームを提供する流れの中で、「6D.aiの統合」という選択肢もあった、ということだ。

ARのための「惑星規模空間マップ」は、Google Mapが起こした現象を「再現」する

ゲームを超えたARの活用は、両社にとって「自明」であり、大きな目標だ。では、そこでどのような世界を目指すのだろうか?

Miesnieks氏:ARは今はまだ黎明期です。技術はまだ進化しています。

Pokémon Goは、ARを搭載した最初のアプリケーションであり、数百万人規模のアプリケーションを開発しており、ナイアンティックのチームは、ARアプリケーションを大規模に開発してきた豊富な経験を持っています。

ARを成功させるためには、仮想オブジェクトが現実のオブジェクトの後ろに隠れていて(オクルージョン)、現実の壁を跳ね返したり、実際のテーブルの棚から落ち、置いたままの場所に留まる(すなわち物理学的な再現と持続的な表現の実現)など、多くのことを「リアルに」動作させる必要があります。

そのためには、「世界の3Dマップ」が必要です。

世界の3Dマップを構築し、すべての開発者に開放することで、ARは人や場所との新たなつながりの形を生み出すでしょう。

今回の買収により、コンピュータビジョン・AR・機械学習のエンジニアリングと研究の分野で最高の人材を結集し、AR業界全体の発展に貢献していきます。

GoogleがMap APIを公開したことで、(UberやLyftのような)ギグエコノミーが可能になったように、他の才能ある開発者がテクノロジーにアクセスできるようになれば、将来的にどのようなことが可能になるでしょうか? それを我々は実現できるはずです。

ナイアンティック側も、ARの広い可能性を模索している。そこでは、6D.aiのもつ「3Dの空間マップを作り出す技術」が重要だ。

Higaki氏:すべてのアプリケーションが機械読み取り可能な地図を通して世界を見ることができるようになれば、よりリアルでインタラクティブな体験を生み出すことができるようになります。

私たちは、あらゆる種類のアプリケーションに、新しい種類の「惑星スケール」のAR体験を可能にするために必要とされる、ダイナミックで3Dな空間マップを構築することを目指しています。

これは、Googleでインタラクティブな3D地図を構築することをルーツにもつ弊社にとって、自然な延長線上にある発想です。Google EarthやGoogleマップは人間のために作られたもので、人間の目で見ても親しみやすく、アクセスしやすいUIになるように設計されていました。

私たちが構築しているARマップは、「機械のために構築」されている、全く異なる種類のマップです。全く新しい可能性を切り開くことになるでしょう。

私たちの目標は、ARの可能性を最大限に引き出すために、プラットフォームを開発者に開放することでした。

それは既に始まっています。「Niantic Creator Program」のサイトでは、開発者が作ったアプリケーションの一部を見ることができます。

個人的には、ナビゲーションやローカルディスカバリー、ロケーションベースのレコメンデーションのために構築された新しい体験がどのようなものになるのか、今からワクワクしています。


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