上海市文化観光局は、「メタバースツーリズムの新たな道を切り開くための上海アジェンダ(2023-2025年)」を発表しました。2025年末までに年間500億元(約1兆円)の収益を生み出すことを目標に、メタバースを活用した文化・観光サービスを強化します。
メタバースに意気込む上海、2025年末までに30のプロジェクト構築へ
上海市は、デジタル文化、スマートツーリズム、バーチャルパフォーマンス、デジタルアートワーク、コンテンツ作成の分野において、2025年末までに30の文化・観光メタバース・プロジェクトを構築する計画を明かしました。
本計画では、市内の博物館や美術館、商業地区がXR技術等を活用し、来館者に没入型の文化・観光体験を提供することが奨励されます。歴史保存区や街区では、バーチャルとリアルが混在するインタラクティブな観光ルートを開発し、スマートな観光ガイドサービスを提供する方針です。また、バーチャルアイドルIPの制作や、中国の地域文化を反映したデジタルアート作品の制作・展示なども奨励されます。
上海市は2022年7月に発表した政策文書のなかで、「メタバース」を「スマートデバイス」や「低炭素産業」とともに、経済発展における重点分野に選定、行動計画を発表しました。本発表では、2025年末までに年商3500億元(約7兆円)のメタバース産業の構築を目指しています。今回発表されたメタバースツーリズムに関するアジェンダは、その一端を担うものと予想されます。