Metaは、触覚技術スタートアップのLofeltを買収しました。リストバンド型コントローラーや開発者向けツール提供といった取り組みにおいて、Lofeltの触覚技術ノウハウが活用されると考えられます。
今回の買収についてMetaから正式発表はされていませんが、メディアThe Wall Street Journalが同社広報担当から「当社はLofeltのチームがMetaに加わることに、わくわくしています」とコメントを得たと報じています。また6月時点で、MetaがLofeltの単独株主であることが判明しているとのこと。
オーディオから触覚への変換などを手掛ける
Lofeltは2014年創業のベルリン発スタートアップです。買収前には累計約1,000万ユーロ(約13.9億円)の資金調達を行い、従業員数はおよそ25名。ハイクオリティな触覚技術をアプリに組み込むためのソフトウェアツールを手掛け、モバイルからVRまでを幅広くカバーしています。
フラッグシップ製品の「Lofelt Studio」は、オーディオファイルを触覚に変換するという特長を備えます。例えば、エンジン音の音声ファイルから、車を運転する際の振動を引き起せます。なおLofeltは2022念7月初に「Lofelt Studio」など全サービスの終了を宣言しています。
買収の目的はSDK提供か?
Lofeltは2016年、触覚フィードバック機能を備えたリストバンド「Basslet」でクラウドファンディングを行っています。製品化には至らなかったものの、この技術はMetaが2021年3月、ARグラスの入力・操作インタフェースとして紹介した「リストバンド型コントローラー」を彷彿とさせます。買収の目的が、触覚フィードバックに関する研究開発にLofeltの知見を活用することにあると考えられそうです。
一方、Lofeltの直近5年ほどの注力分野は、リストバンド型デバイスではなく開発者向けツール「Lofelt Studio」です。Metaは2月にインタラクションソフトウェア開発キット(Interaction SDK)をリリースしており、例えば「触覚SDK」の提供を考えているといった推測も可能かもしれません。
(参考)UploadVR、The Wall Street Journal
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