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業界動向 2022.07.12

デジタルツイン化大手Matterportが不動産仲介のVHTStudiosを買収、プラットフォーム拡大を目指す

2022年7月7日、建築物や室内空間のデジタルツイン化を行うMatterportは、不動産の販売や仲介を手がけるVHTStudiosを買収しました。不動産業界におけるデジタルツイン技術の導入推進や、プラットフォームのさらなる拡大を目指します。

Matterportにデータを統合、不動産購入をより魅力的に

米カリフォルニアを拠点とするMatterportは、現実空間をスキャンする技術のほか、データの処理・共有等のサービスを開発・提供、約550万点以上の空間データを保有しています。同社は建築物のデジタル化を巨大な市場であると捉えており、様々な方面から「デジタルツイン」に取り組んでいます。

一方のVHTStudiosは、米国を拠点とする不動産マーケティング企業。1998年の創業以来、物件売却総額は2,000億ドル以上にのぼります。米国の仲介業者トップ10のうち、7社がVHTStudiosの顧客です。

今回の買収によって、Matterportが提供する没入型プラットフォーム「Matterport 3D Digital Twin」と、VHTStudiosが運営するビジュアルメディアサービスが統合されます。この統合により、住宅購入希望者に「今までにないデジタル体験」の提供を目指します。併せて仲介業者のマーケティングプロセスを簡素化し、コスト削減も行います。このオールインワンのソリューションは、2022年の第3四半期中に、Matterportのキャプチャーサービスにて提供される予定です。

データ獲得により、機械学習の加速も狙う

Matterportによれば、2022年1月に買収したEnview社の機械学習システムを使用し、今回の買収による多数のデータ獲得・データをもとにした学習を見込んでいるといいます。得られたデータインサイトは、Matterportの人工知能エンジン「Cortex」に組み込まれる見通しです。

Matterportは「仲介業者やエージェントが物件資料を掲載し、購入希望者がそれを見るという断片化したプロセスを再構築するため、我々の技術を統合しようとする試みは自然な流れです」とコメント。他方のVHTStudiosも、「今日の市場では、買い手は物件を迅速に購入する必要があります」「高品質のデジタルコンテンツと没入型3D技術を備えた物件は、より早い購入の決断を可能にします」とコメントしています。

(参考)MarketScreenerVHTStudios


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