Gear VRを発売しているサムスンは去年の12月に磁気式センサーを用いたハンドコントローラーの特許を出願しました。特許の内容と図からコントローラーは、Gear VRを利用する際により正確な手の位置をトラッキングするために使用するとされています。
新たな特許は磁気式センサーで位置トラッキングが可能なコントローラー
特許の概要によると、本特許は以下のように説明されています。
「発信源から生成した磁場に基づいて、ユーザーの手の座標を取得するステップと、取得したユーザーの手の座標を、ユーザーの移動による発信源の変化に基づいて仮想現実環境に反映させる電子デバイスをコントロールする方法。」
この文章から本特許は手に装着するタイプのコントローラーであることが分かります。VR向けのコントローラーはHTC ViveやOculus Rift用のコントローラーが既に発売されています。コントローラー単体で考えると、以前からKickstarterで募集していたSixense社のSTEMが同じコンセプトだといえます。しかしながら、STEMの出荷の目処は立っておらず、プロジェクト自体の進捗が分からなくなっています。
特許に描かれていた上図によると、既存のGear VRコントローラと同じぐらいの大きさをしていますが、Valve社の新型コントローラーである「Knuckles」のプロトタイプと同様に、手の甲側に今まではなかったハンドストラップが描かれています。これによって常にコントローラーを握っている必要はなくなり、より自由に手を動かすことができます。
形状は2016年のCESでサムスン社によるR&D;プロジェクトとして展示されたコントローラー「Rink」と類似しています。当時、Mogura VRの取材に対して担当者は、「あくまでもサムスンに支援を受けているスタートアップによるプロトタイプなので製品化は不明」とコメントしていました。
サムスンはモバイルVR向けに手のトラッキングを目指す?
サムスンの磁気式トラッキングシステムは、同社のVRヘッドセットGear VRにとって大きな進歩になるはずです。これまでにGear VRは世界中で500万台以上販売しており、世界で最も広く売れているVRヘッドセットですが、HTC ViveやOculus Rift、さらにはPSVRと比較すると、位置トラッキング、そして位置トラッキング可能なコントローラーが不足しています。
サムスンがこれらのVRヘッドセットと同じ土俵に立とうとしているかはまだ不明ですが、ハンドコントローラーは既存の製品に甘んじることなく検討が進んでいると考えられます。
(参考)
Samsung Filed A Patent For Magnetic VR Hand Controllers – (英語)
https://uploadvr.com/samsung-filed-patent-magnetic-vr-hand-controllers/