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テック 2022.02.02

MRデバイス「Magic Leap 2」のスペックが一部明らかに。独自OSを廃止しAndroidメインに移行

Magic Leap社が開発中の次世代MRデバイス、「Magic Leap 2」のスペックが一部判明しました。現行機「Magic Leap 1」よりも軽量化されるなど利便性向上が図られている他、OSは「Lumin OS」からAndroidに変更されるとのこと。

「Magic Leap 2」は「Magic Leap 1」の後継機。2022年1月現在、発売日などは明らかにされていませんが、医療・製造・軍事といった企業パートナー向けに早期アクセスプログラムがスタートしています。

約20%の軽量化、視野角の縦方向への強化など

今回のスペック情報は、1月25日から1月27日にかけて開催されたイベント「Photonics West 2022」にて、Magic Leap社の光学エンジニアリングVP、Kevin Curtis氏が明らかにしたもの。同氏によると「Magic Leap 2」の重量は248gとなり、316gだった「Magic Leap 1」と比較して約20%前後、68g軽量化された計算です。また「Magic Leap 1」のOSはオープンソースコンポーネントを利用した独自OS「Lumin OS」が搭載されていましたが、「Magic Leap 2」ではAndroidに大きく依存する形に変更となるもようです。

さらにCurtis氏は、「Magic Leap 2」の演算ボックスの能力は「Magic Leap 1」の2倍以上と説明。メモリーやストレージ容量も増加しているとのこと。また「Magic Leap 2」に搭載されるチップセットなどの詳細は不明ですが、Magic Leap社は2021年末に半導体大手のAMDと提携しており、同社製のチップセットが搭載される可能性は十分ありえます。

また「Magic Leap 2」のアイボックス(※)は「Magic Leap 1」の約2倍の大きさに。Curtis氏はこの作りによって、IPD(瞳孔間距離)の調整機構は不必要になったため廃止した、とコメントしています。

(※アイボックス……デバイス着用時に正しい像を見ることができる、レンズ中心からの水平/垂直距離のこと)

なお、「Magic Leap 1」には、バーチャル上のオブジェクトを異なる距離でフォーカスさせる、2つの焦点面が実装されていました。米メディアUploadVRによると、「Magic Leap 2」に同機能が実装されているかについては、明らかにされなかったとのこと。

“動的調光”機能を搭載、アイトラッキング機能も強化

「Magic Leap 2」には、“Dynamic Dimming(動的調光)”と呼ばれる新要素が導入されます。これは、ARデバイスの性質上黒色を表示できない問題を克服するためのもの。同要素によって、「Magic Leap 2」のレンズは現実世界の光の通過率を、0.3%から22%の範囲で調節できます。0.3%設定では、屋外でもバーチャルオブジェクトを視認可能。22%では、暗い部屋の中でオブジェクトを見ることができます。

「Magic Leap 2」ではアイトラッキングシステムも強化されます。片目に対して2基のトラッキング用カメラを搭載し(先代モデルは片目1基)、Curtis氏は「画質の向上やレンダリングエラーの最小化、“セグメント調光”」を実現すると説明しています。

今回の発表ではディスプレイ解像度や視野角(FOV)の情報は公開されませんでした。ただ視野角については、Magic Leap社のCEO、Peggy Johnson氏が、2021年11月に実施されたWebサミットにて「対角70度」であることを告知しています。

(参考)UploadVR, Road to VR

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