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遠隔コミュニケーション 2017.12.27

難病の少年と祖父、200km離れた土地でHoloLens越しに対面

VR(バーチャル・リアリティ)AR(拡張現実感)は、時間や場所にとらわれることなくユーザー同士で同じ空間を共有することを可能にします。DoubleMeと英メディアのOrbital Mediaは、チャリティーを行う「Harrison’s Fund(ハリソン基金)」とチームを組み、難病の少年と遠くに住む祖父とをつなぐ活動をサポートしています。

サンノゼ、ロンドン、ソウルに拠点をもつDoubleMeは、2D動画をリアルタイムで3D動画に変換する独自システム「HoloPortal」を開発するIT企業です。

11歳のハリソン君はデュシェンヌ型筋ジストロフィーという病気を患っています。この病気の症状で筋力が低下し続け、家から出ることも日に日に難しくなり、今は車椅子での生活を送っています。ハリソン君には遠く離れた場所に暮らす祖父がいますが、会いに行くことはとても簡単にできることではありませんでした。

DoubleMeは同企業が手がける技術「HoloPortal」と、マイクロソフト社のHoloLensをかけ合わせ、リアルタイムで2D動画から3D動画に変換しユーザー同士がコミュニケーションを取ることができるMR(複合現実感)を作り出します。

この技術はハリソン君と200km離れて暮らす祖父が、お互いの手と手を触れ合わせるようなボディランゲージやジェスチャーを使いながら会話し、まるで同じ部屋にいるかのように感じながら対面することを実現しました。

Harrison’s Fundの創設者でありハリソン君の父であるアレックス・スミス氏は「デュシェンヌ(型筋ジストロフィー)には良いニュースがなくて、ハリソンは普通のことができなくなる一方です。だからこそ愛する家族や友人と過ごす時間を、もっと簡単に作り出すことが必要でした。最先端の技術と私たち家族がこのような形で出逢えたことはとても特別なものだと感じています。」と語ります。

DoubleMeの創設者であるアルバート・キム氏は「Harrison’s Fundから、家族がひとつになれる新しい方法を見つけたいという話を聞いたときに、今まではサイエンスフィクションだと思われていたHoloPortalとホログラフィックの複合現実が、昔ながらのコミュニケーションと融合して現実的に可能であるということに注目してもらうとても良い機会だと思いました。」と語っています。

(参考)

DoubleMe Uses AR Holograms To Unite Families / VRFocus (英語)
https://www.vrfocus.com/2017/12/doubleme-uses-ar-holograms-to-unite-families/

DoubleMe公式サイト(英語)
http://www.doubleme.me/

Harrison’s Fund公式サイト(英語)
https://harrisonsfund.com/about.php

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