アメリカの半導体大手NVIDIAは、同社のAR/VRコンテンツ配信サービス「CloudXR」を、アマゾンのAWS(Amazon Web Services)、マイクロソフトのAzure、Google Cloudの各クラウドサービス向けにリリースします。4月12日現在ではAWS向けのリリースが完了しており、近日中に残り2サービスへの提供も開始します。
クラウド処理でハイスペックPC不要
CloudXRは、AR/VRコンテンツをクラウド上でレンダリング(描画)することで、高性能なPCやスマホでなくともハイクオリティなコンテンツを体験できるようにするサービスです。
AR/VRコンテンツの配信には、時に高い処理能力を持つハードウェアが必要になり、体験のハードルを上げています。しかしクラウド上でレンダリングを行えばハードウェア側の処理を減らせ、スマートフォンや一体型ヘッドセットでも高品質なXR体験が可能になります。
なおNVIDIAではすでに「GeForce Now」という同種のサービスを提供していますが、こちらはAR/VRコンテンツではなく、従来のゲーム用途のものです。CloudXRはAR/VRに特化したサービスで、AR/VR固有の要件を満たすべく設計されています。
iOSにも対応予定
NVIDIAによれば、CloudXRによりSteamVRのどのコンテンツでも、WindowsまたはAndroidベースのシステムで配信が可能です。具体的にはPC、HoloLens 2、Oculus QuestといったAndroidベースのVRデバイス、同じくAndroidのARデバイス向けにクライアントアプリケーションを提供しています。今後リリースするCloudXR 2.1では、iOSにも対応するということです。
クラウドAR/VRサービスという発想は他の企業からも出ていますが、NVIDIAのCloudXRは完成度、実用化の規模の点で明らかに先頭を走っています。
(参考)Road to VR
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