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Wright Flyer Studiosが語る、VRリアルタイムCGアニメーション制作の秘訣とは?【CEDEC2017】

CEDEC3日目には、GREE株式会社Wright Flyer Studios事業本部の3DCGアーティストによる、VRリアルタイムアニメーション制作の秘訣やガイドラインについての講演が行われました。 

目次

1.手戻りの少ない効果的な制作フロー
2.VRにおける演出の発想方法
3.VRのガイドライン例

話者はさまざまなVR作品を作っているGREE VRスタジオ3DCGアーティストの福田孝氏と亀山あき氏。福田氏の担当はマネージメント及び3Dモデリング、モーション、UIデザイン、Unity実装などを担当。亀山氏の担当は映像の演出・制作を主軸に3Dモデリング、モーション、エフェクトを担当しているとのことです。

亀山氏は「今日話をするのは4つです。まず事前に押さえておきたいこととして、VRコンテンツの良し悪しはVR空間で経験して初めてわかります。演出もVR環境でチェックすることで良し悪しがわかります。つまりVR前の検討議論は無駄になりやすいのです」とVR制作の特性から話を始めます。 

1.手戻りの少ない効果的な制作フロー

福田氏は「デモシーン制作における、これは危険、という例ですが、GREEではVRシーンを絵コンテにすり合わせたために膨大な手戻りが発生したことがありました」と言います。

当初は映像制作と同じように絵コンテをメンバーで共有し、レイアウトやモーションを作り、Unityでシーンを作るというフローをとっていたというVRスタジオスタッフ。福田氏は「一番最後のVRチェックの段階で多くの不具合がわかり、絵コンテまで戻る、ということがありました」と言います。 

「そこで改善したフローがこちらです」と福田氏。まず絵コンテの代わりにコンテ+レイアウトを設け、次に簡易Animatics、Animatics、そして本制作の順になっています。

最初のコンテ+レイアウトの段階では各シーンの内容に合わせてレイアウトをとり、カメラの位置やキャラ、キャラの向きなどが固まれば簡易Animaticsに進みます。「簡易Animaticsではレイアウトとタイミングを確認していきます。登場する要素は簡易モデルを仮に配置してタイミングに合わせてざっくりと動かす。レイアウトに影響のあるエフェクト、ボリュームのある衣装の場合はそれも反映させる」と解説する亀山氏。

「次はAnimaticsに進み、演技の主要ポーズをラフに手付けします。そして本制作に移り、各パートで作っていたセットを組み合わせて、処理をしていく。処理負荷を確認しつつ、モーション、エフェクト、ライティングなどを調整してシーンを仕上げていき、完成。フローを改善したことによって制作期間をかなり短縮できました」と亀山氏は言います。

他にも両氏は制作期間短縮に効果的な方法を二つあげました。ひとつは、全キャラをグループ化、FBXを出力して、Unity Sceneを HMDで確認する方法。亀山氏は「あまりスクリプトを書くのが得意ではないのですが、このフローをとったおかげで、エンジニアの手を借りることなく回すことができました」と振り返ります。

福田氏のあげたもうひとつの方法はMARUI-PlugInの導入です。「MARUIはMAYAをVRで操作できることに加えて、MAYAシーンを操作した内容をリアルタイムにHMDで確認できます。HMDをかぶったディレクターが、MAYAを操作するアーティストと会話しながらリアルタイムで修正していくことができたので、かなり効率的でした」と福田氏は語ります。

2.VRにおける演出の発想方法

「VRでは体験を重視します。びっくり箱を開いたような、思わず身動きしたくなる仕掛け、じっくり見たくなる要素を用意します。また、現実世界のコントローラーを震わせたり、風を送ったりすることも効果があります」と亀井氏はユーザーの没入感を高める方法を紹介します。

「次に、カメラについてですが、カメラ演出を加えると、ユーザーのVR酔いにつながるので注意が必要です。カメラはユーザーが制御できるようにしたほうがいいです。VRには表示枠がないので、見せたい情報に誘導するために、GREEでは光の点滅を視野に入れてあげたり、キャラクターが派手なアクションをしたり、音を鳴らすなどしていました」と亀山氏。 

画像はカットの切り替えの際に、ユーザーの視線を誘導するためにとった方法の一部です。1枚目は槍を落とすことでユーザーの視線を地面に向けており、2枚目はドレスの女性を動かすことでユーザーの視線を動かしています。 

3.VRのガイドライン例

講演の最後のテーマとして、両氏はVRのガイドラインをいくつか紹介しました。まずプレイヤーの行動範囲について福田氏が解説しました。「プレイヤーは環境によってはいくらでも動けてしまうので、制限を要します。ポジショントラッキングの中心地から何メートル離れたら警告を出すか、キャラクターと衝突した場合はブラックアウトさせるかオブジェクトを消すかを検討しました」とのことです。

「VR空間の中における字幕は、その世界に浮かんでいるジョイントになってしまいますので、上下や左右位置だけでなく奥行きも検討します。目から50㎝以内に張り付くものはユーザーのストレスになることがあるので避けたほうがよいようです」と亀山氏。

最後に処理負荷対策。「VRでは終始パフォーマンスを意識することが大切です。というのもfpsがでなければVR酔いしてしまうからです」と福田氏。さらにfpsが足りない場合のデメリットとして、モバイル端末が発熱した場合は強制クーリングタイムとして、端末が冷めるまでプレイできなくなることや、バッテリーが切れることをあげます。福田氏は「それを防ぐために、技術担当者と打ち合わせながら進めていくことが大切です。これをしないと、そもそもユーザーにプレイしてもらえない」と注意を呼びかけます。

最後に福田氏は「これらを踏まえて、VR制作の壁を乗り越えてもらいたいと思います」とメッセージを伝え、講演は終わりました。 

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