Home » HoloLensのユースケース、複数人での使用や、対話インターフェイスなど【CEDEC 2017】


テック 2017.09.08

HoloLensのユースケース、複数人での使用や、対話インターフェイスなど【CEDEC 2017】

この記事はインタラクティブセッションである【[TMCN×CEDECコラボセッション] HoloMagicians – Mixed Realityに関するコミュニティ活動】のレポートになります。

CEDECではインタラクティブセッションが多く展開されており、その中でも特にHoloLensや、Mixed Reality(MR)デバイスを取り扱ったものとして、一般社団法人T.M.C.Nが全日に渡って複数のデモ展示を行っていました。

シェアリング機能を使ったデモ

複数人でのHoloLens使用デモとして展示が行われており、HoloLensを被っているユーザーの位置に3Dモデルが表示され、お互いの位置を確認できるほか、視線の位置も確認することができました。

また、脊椎のCTスキャンモデルが空中に表示されており、ユーザーはAirtap(クリックのような操作)を使い、指定した箇所に3Dのピンをさすことができます。ピンをさす場所には音声メモを残すこともでき、他のユーザーがそれを再生することも可能となっていました。医療現場などでも使えるかなり実用的なデモです。

また、今回展示はされていませんでしたが、開発者向けとして販売を開始したマイクロソフト社のMRヘッドセットとのシェアリングも可能とのことです。

Kinectで撮影した人データの表示


こちらは、Kinectで撮影した3DデータをHoloLensで再生するデモとなっています。

レンダリングをPC上で行ったものを、ストリーミングでHoloLensに配信しているようです。また、デモではサイズを変更して表示することなどが可能です。

映画「スター・ウォーズ」シリーズの通信のような印象を受けるHoloLensでの新しいコミュニケーションの形となるデモです。

MRでの対話エージェント

TIS株式会社の戦略技術センターからHoloLens上で音声認識を使ったMR対話エージェントのデモも展示されていました。
MR対話エージェントアプリではMR、音声対話、業務チャットボットプラットフォームを組み合わせて、まるでその場にエージェントがいるような体験をすることが可能となっています。

本来、HoloLensは日本語での音声認識に対応していませんが、クラウドサービスを使い、日本語での音声認識を可能にしているとのことです。

インターン学生による家具の配置デモ


こちらは株式会社エヌ・ティ・ティ・データでインターン中の学生が作成したデモとのことで、HoloLensのカメラを使用し、机を検出すると、そこに3Dの家が現れます。各種マーカーを操作することで、家の中で家具を自由に動かすことができ、従来のAirtapによる操作よりも直感的に操作することができます。

今後はシェアリング機能を利用し複数人での利用を考えており、MRデバイスとも連携し、HoloLensで操作した家具の配置を、MRデバイスで中にいるような視野で確認するなどを実装したいとのことです。

将来的には、インテリアのデザインだけでなく、庭のデザインや都市の設計等も行いたいと話していました。

どこまでも歩いて行けるMRデモ


マイクロソフト社のMRヘッドセットは、没入型のVR体験ができるデバイスです。日本HPから開発版としてリリースされている「HP Windows Mixed Reality Headset」とMSIから販売されているバックパックPC「VR One」を組み合わせ、どこまでもVR空間内を歩くことができるデモが展示されていました。

インサイドアウトトラッキング方式を採用しているMRデバイスでは、外部にセンサーなどが必要なく、ヘッドセッドとPCがあれば動作します。

そのため背負うことができ、バッテリーで稼働するPCである「VR One」と接続することで、VR空間内を自由に歩き回ることが可能です。

マイクロソフト社のMRヘッドセットは年内に一般販売される予定で、同様にMRヘッドセットで使用可能なWindows MR用コントローラーも販売が行われます。

数々のデモを通して見える未来

多くのデモが展示されていた今回のインタラクティブセッションでは、どれもこれからの未来を感じ取れるようなデモとなっており、今後も目が離せません。


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード