ロイター通信は、アップルがiOS用のARフレームワーク「ARKit」の機能を拡大したARKit 2.0をリリースする予定であると報じています。現行のARKitからの変更点は、マルチユーザーのARアプリが開発できる点です。またP2Pのローカルネットワークを使用し、室内のスキャンデータといった、ユーザーのプライバシーにかかわるデータを守ることを特徴としています。
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ユーザーのプライバシーに配慮
関係者によれば、アップルは複数人でプレイできるARアプリのフレームワークを開発しているとのこと。グーグルも先月AR Coreのアップデートを発表し、複数のユーザーが同じAR空間にアクセス・共有するAR体験を可能にしました。しかしAR Core利用時には、プレーヤーの周辺環境のデータは同社のクラウド上に保存されます。グーグルは、データは1週間後に破棄されるとしています。
これに対しアップルのARKit 2.0は“クラウド上にユーザーの周辺環境のデータを保存しない”とのこと。グーグルのARプラットフォーム「ARCore」と異なり、プライバシーにより注意深く配慮しているようです。
今週WWDCで発表か
ARKitやARCoreの公式サポートに先立ち、多くの開発者が独自にマルチプレーヤーのアプリを開発しています。しかし今回アップルが正式にマルチユーザーをサポートすれば、よりソーシャルな要素を含むアプリの開発が進むでしょう。
このようにスマートフォン向けのAR技術開発を進めるアップルですが、目標とするARヘッドセット開発は、まだ時間がかかるという見方を示しています。CEOであるティム・クック氏は、同社のARヘッドセットは「最初のものではなく、最高のものを目指す」とインタビューに答えています。
ARKit 2.0については、6月4日から8日にアップルが行う開発者向けイベントWorldwide Developers Conference(WWDC)での発表が期待されています。
(参考)Road to VR
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