カナダのクイーンズ大学は、フランスを拠点とし医療シミュレーション等を手がけるSimforHealth、及びHTCとパートナーシップを締結しました。敷地面積8,000平方フィート(約740平米)の医療用シミュレーション施設を開設し、研修医へのVRトレーニングや、VRを使った教育の効果検証を行います。
失敗はVRの中で
施設では、HTC ViveのヘッドセットとSimforHealthが開発したソフトウェアを活用。研修医はVRで緊急医療の現場を体験したり、患者の診察を行ったりと様々な医療シーンを体験できます。これにより、医療教育の改善を図れるだけでなく、患者が医師の“最初の実験台”になることを防ぐ効果があります。
医療シミュレーションセンターのトップを務めるDan Howes医師は次のように説明しています。「医師が患者に対して、自身にとって初めての医療行為を施し、学習の大半は実際の治療から学ぶという時代がありました」「(しかし)VRによって、我々は様々な医療シーンをリアルに体験することができます。学習者には、初歩的なミスは患者に対してでなくVRの中で体験してもらいたいです」
医療向けVR/ARの市場は5,000億円規模へ
VR技術の向上に伴い、解像度の体験や正確なモーションコントロールが可能になっていくと、医療現場でのトレーニング内容もより効果的になると期待されます。
一方で今回の取り組みは、クイーンズ大学にとって初めてのVR技術活用例ではありません。同大学の心理学科ではVRラボを立ち上げ、より統制された心理学実験を行おうとしています。またEQUISラボは、エンターテイメントと運動を組み合わせたゲームの開発を進めています。
世界中の学術機関などでも、VRトレーニングに関する研究は広がりを見せています。VR/ARを用いた医療市場は、2025年までに51億ドル(5,700億円)の規模に到達するという予測もあります。
Mogura VRでは、医療現場でのVRトレーニングについて下記のような記事で紹介しています。
(参考)VRScout
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