精神疾患向けに、VRを用いた治療手法を開発している株式会社BiPSEEは、2.5億円の調達を実施しました。同社は今回の資金調達により、うつ病患者向けのVRデジタル治療薬の開発および臨床試験を更に進め、VRデジタル治療の実現を目指すとしています。
患者の心理へ働きかける「VRデジタル治療薬」
「VRデジタル治療薬」とは、プログラム医療機器(スマホアプリやVRなどデジタルツールを用いて疾患を治療する医療機器の総称)の一種です。BiPSEEによれば、「既存の医薬品や医療機器と異なり、VRを用いることで患者の心理に対して働きかける治療を通じて、これまで治療しきれなかった疾患を治すことができる可能性を持った、新しい治療ツールである」とのこと。
VR空間への没入やインタラクションにより自己肯定感を醸造
BiPSEEは、ネガティブな感情や事柄に対して繰り返し考えてしまう「反すう」という症状が、うつ病などの精神疾患の要因となっていることに着目。BiPSEEのVRデジタル治療薬は、VR空間での没入やインタラクションにより、反すうを抑制するために必要な自己肯定感を醸成することができるとのこと。
BiPSEEは、VRデジタル治療薬の普及を実現することによって、高騰する医療費や医療格差問題など我が国が抱える医療課題に対するソリューションを目指すとしています。
(参考)プレスリリース