ソーシャルVR「Rec Room」を開発するVRゲームスタジオRec Roomは、新たに1億ドル(約108億円)の資金調達を行いました。同社の企業評価額は12.5億ドルに達しており、VR企業として初のユニコーン(※)が誕生しました。
(※ユニコーン……企業評価額が10億ドル以上で、非上場のベンチャー企業を指す)
今回の資金調達で、Rec Roomの累計調達額は1億4,900万ドルに。過去の出資に続き、世界最大規模のベンチャーキャピタル、セコイアらが参加しています。
クロスプラットフォームで遊べるソーシャルVR
「Rec Room」は、複数人でミニゲームを遊べるソーシャルVRアプリです。VR・非VRを問わず、PC版の他PlayStation 4やiOSなど、複数のプラットフォームで配信されています。2020年9月に月間アクセス数が4,000万回を突破、2021年1月の報告で月間アクティブユーザー数が100万人を超えるなど、非常に高い人気を得ています。
クリエイター収益化の動きも
ユーザー数増加と共に注目すべきは、ゲーム内の経済活動です。「Rec Room」自体は基本無料のコンテンツですが、ゲーム内通貨を購入することで、様々なアイテムを買うことができます。ユーザー自ら作ったゲームやアイテムを販売し、通貨を獲得することも可能。加えて毎月一定額のゲーム内通貨が付与されたり、一部のアイテム購入時に割引を受けられる、”Rec Room Plus”メンバーシップも設けています。
そして直近で進むのがクリエイターの収益化プラン。2021年3月、Rec Roomではクリエイターが獲得したゲーム内通貨を、現実にUSドルへ換金できる機能を実装しました。”Rec Room Plus”メンバー限定、18歳以上の年齢制限などがありますが、コンテンツ作成、販売、現金の獲得という一連の活動が全てゲーム内で完結するようになりました。Rec Roomは、「2021年にはこの仕組みを通じて、100万ドルをクリエイターへ還元したい」と語っています。
VR業界で企業評価額が10億ドルを超えるケースは、FacebookやValveのような大手プラットフォーマーを除いて例がありません。Rec Roomの世界がどこまで拡大するのか、今後も注目されます。
(参考)Road to VR
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