アップルが、120度以上の視野角を持つARデバイスの特許を米国特許商標庁に対して出願しました。2018年に同社が買収したスタートアップAkonia Holographicsの技術が用いられており、ARデバイスとしては非常に広い視野角を実現する模様です。
120度の視野角、ただし高解像度は中心20度に限定
アップルによる特許出願の事実は、9月19日に特許が公開されたことで明らかになりました。米メディアUploadVRによれば、アップルが2018年に買収したスタートアップAkonia Holographicsの技術の発展形が使用されているとのこと。
今回特許出願されたARデバイスには、「周辺(peripheral)プロジェクター」と、「中心窩(foveal)”プロジェクター」という、2種類のホログラフィックプロジェクターが搭載されています。周辺プロジェクターは、FOV(120度)全体に低解像度のイメージを投映し、中心窩プロジェクターは、網膜の位置(FOV20度)に高解像度のイメージを投映します。
(視野角のイメージ。外周の「Apple Patent」が今回の特許にある120°の視野角)
特許出願書では、レーザーアレイプロジェクターが光を出力し、光学“分布(distribution)”導波管へと出力される仕組みが解説されています。
視線追跡機能とセットで実装か、それとも?
今回明らかにされた中心窩プロジェクターは、視線追跡(アイトラッキング)技術と組み合わせて使用するものと思われます。一方でUploadVRは、その複雑さからアイトラッキング技術が本デバイスに搭載されない可能性も指摘しています。
同メディアは、iOS13の内部ビルドから発見されたアップルのARデバイスに関係すると思われるコードを参照しつつ、「これらのコードにあるARデバイスの視野角はそれぞれ47°、46°、49°であり、この特許のアイディアが近い将来に製品化されない可能性もある」「アイトラッキングが実装されない場合、周辺プロジェクターのみで構成されたデバイスになる可能性が高い」としています。
(参考)UploadVR