VRを知る本・雑誌8選 入門からビジネス、開発専門書も 

ゲームや映像体験だけでなくビジネスにも活用できると話題のVR。ネットで無料の記事も読めますが、より深く学ぶなら本がおすすめ。「VRとは」を広く学べる入門書、最新事例やコンテンツをまとめたVR専門誌、開発者・エンジニア向けの専門書など、さまざまなジャンルの書籍があるので、きっと目的に合ったものが見つかるはずです。VRを学びたい!VRを事業で活用したい!VRコンテンツを作りたい!あなたのための8冊を紹介します。

  • 入門書:VRビジネスの衝撃
  • 360度カメラを使ってみたい人向け:RICOH THETA パーフェクトガイド
  • 専門誌:VR情報専門誌『VRFREEK』、VR² Vol.1
  • 企画担当者向け専門書:VRコンテンツ最前線
  • 開発者向け専門書:バーチャルリアリティ学、UnityによるVRアプリケーション開発
  • 番外編:SFマガジン

「VRとは?」「VRはどうビジネスを変えるのか?」がわかる入門書

VRビジネスの衝撃  「仮想世界」が巨大マネーを生む

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「今年は『VR元年』と呼ばれているらしいけれど、VRってそもそも何?」「なぜVRがこんなに盛り上がっているの?」「VRがビジネスを変えるって本当?」そんなかたの入門としておすすめなのがこちらの本。ゲーム会社出身のIT・ゲームジャーナリストである新清士氏が、VR体験の没入感、そしてビジネスへのインパクトがいかに衝撃的なものかを伝えています。

第1章では特に映画産業を軸にVRがどのようにエンターテイメント産業を変えているかを俯瞰します。そして、第2章では、VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)の大きなトレンドを作ったOculus Riftの成り立ちを紹介し、Oculus Riftと並んでメジャーなハイエンドVRHMDであるHTC Vive、PlayStation VR(PSVR)の現状が解説されます。

ビジネスの現状と未来を描いているのは第3章と第4章です。『サマーレッスン』や東京ジョイポリスのアトラクション「ZERO LATENCY VR」などの事例をもとに、VRがゲームやエンターテイメントの世界に新たなビジネスの機会をもたらしていることが描かれます。また、HoloLensなどのAR(拡張現実)・MR(複合現実)にも触れながら、VRの技術革新が建築、eコマース、製品デザインなど幅広いジャンルにわたってビジネスをどう変えていくか、現在の事例と未来予想図が示されています。

新書なので値段も比較的手ごろですし、Kindle版など電子書籍としても販売されているので、気軽に読むことができるのではないでしょうか。

VRビジネスの衝撃―「仮想世界」が巨大マネーを生む (NHK出版新書 486)
新 清士 (著)
NHK出版
2016年5月10日発行
799円・Kindle版713円(いずれも税込)

360度カメラを使ってみたい人向けのガイドブック

RICOH THETA パーフェクトガイド

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360度カメラがあれば、VRHMDで楽しめる360度写真・動画を自分で制作することもできます。これまでのカメラが景色を”切り取る”ものだったのに対し、360度カメラはその空間をまるごと記録します。そんな360度カメラのなかでも初心者にもやさしい「RICOH THETA」のガイドブックがこの本です。

「RICOH THETA S」「RICOH THETA m15」の2機種に対応。カメラの操作や撮った写真・動画の閲覧方法がたくさんの写真付きで説明されています。

360度写真・動画はこれまでの写真・動画の概念を全く覆すもの。カメラの操作方法だけわかっても、そもそもどんなシーンで撮影したら面白い写真・動画が撮れるのか想像がつかないかたも多いはずです。この本のポイントはTHETAの撮影テクニックが豊富に掲載されているところ。自撮り、夜景などの風景をかっこよく撮る、パーティーの盛り上がりを伝えるなど、THETAを生かせるさまざまな撮影シーンと、そこでのカメラの持ち方・設置方法が紹介されているほか、プロの写真家によるTHETA写真・動画集も載っており、参考にすることができます。

(関連記事)
360度カメラとは?各種360度カメラの魅力と、価格、スペックまとめ
360度カメラ性能比較。THETA S、Gear 360、360camなど5機種のスペックを比較

RICOH THETA パーフェクトガイド THETA S/m15両対応
Shinya B/染瀬 直人/宇佐見 健/荻窪 圭/水野 秀比古/橋本 塁/中井 精也/柏倉 陽介/石井 寛子/加藤 健志/鍵井 靖章/丸田 あつし/なぎら 健壱 (著)
インプレス
2016年6月1日発行
VRスコープ付録付2,160円・BOOK ONLY Version1,728円・Kindle版1,512円

VRの最新コンテンツや最新ビジネス事例がわかる専門誌2冊

PCで最先端VRを120%楽しむための情報誌 VR²

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VRHMDのなかでも、HTC ViveやOculus RiftなどのPCを用いるハイエンドHMDに焦点を当て、ハイエンドVRのコンテンツの楽しみ方を広く紹介する専門誌です。

Vol.1では、「PCでVR環境を構築する」と題して、ビデオカードの紹介や取り付け方の説明、各種VR専用PCの比較などを掲載。もうひとつの特集「VRコンテンツ最前線」では、PC向けVRタイトルが並んでいるだけでなく、VR体験スペースや各種イベントも紹介されています。

VR² Vol.1
インプレス
2016年9月29日発売
1,922円・Kindle版1,700円(いずれも税込)

VR情報専門誌VRFREEK

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作況と音楽制作の専門誌「DTMマガジン」の増刊号として今年3月にVol.0、6月に夏号、そして10月に秋号が発行されているVR情報専門誌「VRFREEK」。こちらは主にVRのコンテンツやサービスを開発・提供する側のかたを対象とした雑誌です。

VRゲームの開発者やハードウェアメーカーの担当者など、VRにかかわるさまざまな分野の関係者インタビューが充実しています。通常の書籍よりも発行ペースが速い雑誌なので、最新のビジネス導入事例をいち早く見つけたいかたにもおすすめです。

VRFREEK 秋号
寺島情報企画
2016年10月8日発売
2,970円・Kindle版1,500円(いずれも税込)
※号によって価格は異なります

VRを使用したプロモーションを企画立案するときに読む専門書

VRコンテンツ最前線 事例でわかる費用規模・制作工程・スタッフ構成・制作ノウハウ

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制作中の呼び名は「広告代理店の人間がVRイベントを計画するときに初めて読む本」だったという本書。VRにできること・できないこと、企画時に考慮すべきVRコンテンツの基本仕様項目を説明したうえで、実際に制作されたVRコンテンツの事例を19例、紹介しています。

注目すべきは、各事例について費用規模やスタッフ構成、制作スケジュールが掲載されている点。広告代理店が企画の予算規模などを考える際に使えるだけでなく、制作会社が予算を説明する際のサンプルとしても使えるとのことです。

(参考)
VRFREEK 秋号 p.62 「PICK3 桜花一門・高橋建滋が作ったVR業界必携の書籍とは」

VRコンテンツ最前線 事例でわかる費用規模・制作工程・スタッフ構成・制作ノウハウ
桜花一門(著)
翔泳社
2016年8月1日発行
2,592円・Kindle版2,400円(いずれも税込)

VRの技術的な原理、UnityによるVRアプリ制作を知る開発者向け2冊

バーチャルリアリティ学

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2016年は「VR元年」と呼ばれていますが、VR(バーチャルリアリティ)技術の萌芽が産まれたのは1980年の初めごろまで遡ります。この本は、1980年代から現代に至るまでのVR研究の成果が凝縮されたバーチャルリアリティ学の教科書です。

前半で、VRに関係する人間の認知の仕組み、VRを生じさせる機構の構成法などのVRの技術的な原理を詳しく説明。後半では、AR、ウェアラブル、テレイグジスタンスなどの実世界と関連するVR技術、そしてVRの社会との関連について理論や事例が示されています。

この本が最初に発行されたのは2010年1月で、この記事で紹介しているほかの本と比べるとやや古いようにも見えます。しかし、VRを支える原理や人間の体の仕組みは普遍的なものであり、この本の記述は色褪せていません。研究者や開発者、VRを使ったビジネスの企画立案者など、VRの技術的な原理を知りたいと考えるさまざまなかたがこれからも読むべき一冊です。

バーチャルリアリティ学
日本バーチャルリアリティ学会(編)
コロナ社
2011年1月11日発行
2,916円(税込)・Kindle版なし

UnityによるVRアプリケーション開発 ―作りながら学ぶバーチャルリアリティ入門

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Unity 3Dゲームエンジンを使ったVR開発の詳細を開発した入門書です。Unity 5やオープンソフトウェアを使って、実際にアプリを制作しながら開発を学べるようになっています。

最初なシンプルなジオラマを作成するだけですが、本を読み進めつつ制作を続けると、物理法則を取り入れたヘディングゲームや展示室内でのウォークスルーのアニメーションなどを作れるようになります。

Unity初心者にも対応していますし、Unityの使い方を知っているゲームエンジニアであっても、VRに特有のアイデアをこの本のサンプルプロジェクトから得ることができます。

UnityによるVRアプリケーション開発 ―作りながら学ぶバーチャルリアリティ入門
Jonathan Linowes(著)・高橋 憲一/安藤 幸央/江川 崇/あんどうやすし(訳)
オライリージャパン
2016年8月25日
3,240円・電子版(Ebook Store)2,592円(いずれも税込)

フィクションの中のVR 番外編:SFマガジン

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最後に、VRをフィクションなどの読みものから学ぶための本として『SFマガジン2016年12月号』を紹介します。

Oculus社創業者のパルマー・ラッキー氏がSF小説『スノウ・クラッシュ』を愛読書としていたように、SFとVRの関係は深いものがあります。SFマガジン12月号の特集「VR/AR」は、VR/ARの最前線を探りながら、SFとの関係性を今一度問い直すものです。

VR/ARを題材とした短篇小説がいくつか掲載されており、読みものとして楽しむことができます。また、「VR/ARメディア別ガイド」(VR小説・AR小説・コミック・映画・アニメ・ゲーム)が載っているので、VRを取り上げたフィクション作品を探す手がかりにもなります。

S-Fマガジン2016年12月号
早川書房
2016年10月25日発売
1,296円(税込)・Kindle版なし

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