Home » 難聴者向けARグラス開発企業、140万ドル調達。補聴器に代わるシンプルな補助機器を目指す


投資 2023.02.01

難聴者向けARグラス開発企業、140万ドル調達。補聴器に代わるシンプルな補助機器を目指す

1月30日、 Xanderが140万ドル(約1.8億円、2023年2月1日時点)を調達しました。同社はリアルタイムで音声をテキストに変換・表示するARグラス「XanderGlasses」を開発しています。今後は得られた資金を使って、同製品の市場流通を目指すとのこと。

本調達はプレシードラウンドで実施されました。Analog Devicesの共同設立者兼取締役であるRay Stata氏が主導し、iZotope共同設立者であるMark Ethier氏やthe 77、その他のエンジェル投資家らが参加しています。

シンプルなARグラスで難聴者をサポート

Xanderは2020年創業。マサチューセッツ州ボストンを拠点とするスタートアップ企業です。同社はARグラス「XanderGlasses」の発売を目指し、開発研究を進めています。

「XanderGlasses」はVuzixのARグラス「Vuzix Blade 2」を基盤に開発。同製品は、会話相手の発言内容をリアルタイムで文章に変換、ディスプレイ部分に表示し、難聴や聴覚障がいを持つユーザーをサポートします。

同製品の大きな特徴として、音声認識技術はデバイス本体に組み込まれているため、ネット環境が必要でない点が挙げられます。屋外でも環境を問わずに使用可能、アプリや電話などの連携も不要なため、操作は電源のオン・オフのみ。高齢者やプライバシー保護を求めるユーザーにも使いやすい設計となっています。また、度入りインサートレンズの提供も予定されています。

発売に向け開発加速へ

本調達に際し、同社共同創業者兼CEOであるAlex Westner氏は「支援技術が最も大きな利益をもたらすのは、その技術が複雑でなく信頼できるものである場合です。『XanderGlasses』はシンプルなデバイスとして機能します。ユーザーは複雑なスクリーン表示に手こずることなく、話している人を直接見て、必要に応じてキャプションを参照できます」と語っています。

同社はアメリカの退役軍人保険局と連携して、「XanderGlasses」の運用試験を2023年2月に予定しています。同製品の発売に向け、今後も開発研究に取り組むとのことです。

(参考)Auganix


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード