11月7日(土)、東京・御茶ノ水にあるデジタルハリウッド大学にて「VRCカンファレンス2015」が行われました。Oculus RiftやPlayStation VRといったVRヘッドマウントディスプレイの製品版発売を来年上旬に控えている中、ゲーム、映像、広告などの多様な分野でVR取り組んでいるエキスパートがVRの知見を共有する場として開催されました。
今回は、株式会社電通メディア企画部の足立 光氏による講演「今後求められる広告としてのVR」の講演内容の紹介です。足立氏は、これまで任天堂やパナソニックなどとのクリエイティブ業務に従事、広告代理店のスタンスからVRのメディア化や大衆化を目指しています。
女性でも長時間のVR視聴は可能
足立氏は、Oculus社がサムスンと共同開発しているヘッドマウントディスプレイ「Gear VR」について、「専門的なオペレーションが不要かつ、コードレスでスマートな運用ができる。」とコメント。豪華客船の内部を体験できるコンテンツや、「劇場霊」のPRなどで制作しているコンテンツ、フジテレビとのコラボで実現したドラマ「恋仲」のプロモーションなど、自身が手掛ける様々なイベントでGearVRを使用している事を語りました。
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その中でも、印象的だったコンテンツが、スターダストプロモーション所属のグループ「超特急」のPR用のコンテンツ。彼らのライブを4曲体験でき、体験時間は全部で15分程というもの。「東京ゲームショウで展示した後に、家電量販店の中にあるGalaxy ShopでGearVRの試遊コンテンツとして展示しています。ファンの皆さんがいらっしゃるなど、女性でも長時間VRを見てくれるという新たな発見があったコンテンツでした。」と、足立氏。推しメンを間近でずっとフォローできるというVRならではの特徴も魅力的だったのではないかと解説しました。
女性にも支持されるVRとは
VRを女性でも楽しめるように、ということで現在開発中のプロダクト「Telepod」を紹介。「この椅子は、単なる椅子ではありません。実際にはコンテンツと連動し、ボディソニック(体感音響装置)で振動するといった仕掛けが含まれています。」と足立氏。現在よくある体験スペースでは体験している様子が全身むき出しになってしまいますが、少し閉ざされた空間を用意する事で、親しみやすくするための工夫がされています。カジュアルでスタイリッシュな視聴環境を整える事が、女性に支持されるために必要ではないかと解説しました。
また、これまでプロモーションでVRを活用してきた経験から、足立氏はVRの認知度を上げることが最大の課題としています。
今後、認知を広げるためにも、家庭への普及の前に漫画喫茶やカラオケボックスといった場所で体験できるようになってもいいのではないかという話も出しつつ、広告会社として、より広告としてVRが活用できるような環境を目指していきたいとして講演を締めくくりました。
足立氏の講演は以下の動画でもアーカイブされています。詳細を確認したい人はぜひ視聴してみてください。また、VRCカンファレンス2015の全講演はこちらのチャンネルで全て見ることができます。