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活用事例 2022.08.03

海外の専門医がVRでサポート、ブラジルで結合双生児の分離手術に成功

医療分野において、VRが重要な役割を果たした事例がまたひとつ誕生しました。頭部の繋がった「結合双生児」の分離手術に、複数の医師がVRを用いて参加。極めて困難な手術を無事に成功させました。

3Dモデルでの準備、VRで遠隔からサポート

この手術は、ブラジルのリオデジャネイロで行われました。手術に先立ち、双子のCT画像とMRI画像を用いて3Dモデルを作成。2人の結合した脳の状態などを、視点を変えながら詳しく観察し、手術の前に最適な手法を検討しました。

手術サポートの中心となったのはロンドンの病院の医師らでしたが、海外にいる複数の外科医がVRヘッドセットを装着して立ち会い参加。同じ手術室にいるかのように意見や情報を共有し、協力して手術を進めました。全体では7名の外科医を含む100名超の医療スタッフが加わり、手術時間は27時間に及びました。

今回の手術を支援した慈善団体Gemini Untwinedの創設者、Noor ul Owase Jeelani氏は次のように語りました——「いくつかの観点から、今回の手術は我々が経験した中で最も困難だと考えられます。VRを使ってこれらの手術をやり遂げたことは、まさに人類が火星に到達するような偉業です」

手術から4日を経過した時点では、2人の容体は安定しているとのこと。VRにより場所の制約を超えて実現した医療行為が、双子を救いました。

(参考)VRScout
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