Home » 麻布大学・あまた・EDUWARD Pressが獣医療VR教材「VETS VR」を共同開発


業界動向 2023.02.03

麻布大学・あまた・EDUWARD Pressが獣医療VR教材「VETS VR」を共同開発

麻布大学と、あまた株式会社株式会社EDUWARD Pressは、獣医療トレーニング用VR「VETS VR」を共同開発しました。文部科学省「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」に採択された助成事業です。


(提供:EDUWARD Press、以下同じ)

獣医療でのVR活用、実習動物の大幅な負担軽減へ

「VETS VR」は、VRを通じて、実際の手技や手順を体得できるトレーニングソフトウェアです。獣医療分野の教材出版を手がける株式会社EDUWARD Pressと、『オノゴロ物語』などのVRゲーム制作を主事業とする、あまた株式会社が共同開発しました。

今回発表されたのは「犬の気管挿管編」。必要物品や挿管までの手順が多い手技にあたり、VR教材の題材として適していると考え、選ばれたとのこと。

(出所:株式会社エデュワードプレス)

獣医療の分野では、教育実習の対象となる動物の負担軽減が課題で、疑似教材の可能性が検討されていました。全体監修・開発者を務めた高木哲氏(麻布大学獣医学部・教授)は、2020年に獣医外科学実習にVRを活用し、教育効果の向上が認められたと発表しています。

「従来の映像教材などでは、臨場感・再現性は十分でも、用意された行動をただなぞるような状態になってしまい、自分で考えて選択する主導性がなかった」と、高木哲氏は語ります。手技や手順を自分で繰り返し練習できるほか、導入教材としての面白さ、質感や動物の反応などの細部のリアリティ、そしてVRが初めての人でも操作・理解できるようにこだわったとのこと。

その一方で「本物には敵わないということは事実であり、そこは勘違いしてはいけない」としつつ、「麻酔や手術は緊張するような場面だと思うので、VRであらかじめ学習することで臨床を嫌いにならず、できれば臨床に興味を持ってほしい」とコメントしました。

国内における獣医療のVR活用事例は少しずつ増えていて、2022年6月にはヒューマン・アニマル・ボンド株式会社がHoloLens 2のアプリケーション「デジタルアナトミーMR」を発売し、山口大学・酪農学園大学などが導入しています。

(参考)プレスリリース


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード