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活用事例 2023.08.31

超高解像度VRのVarjo、アメリカ陸軍の航空地上訓練に技術提供

XRデバイスメーカーのVarjoは、アメリカ陸軍の航空地上訓練に、特別仕様のXRヘッドセットを提供します。3種類のヘリコプターを用いた航空演習プログラムで、専用のMRコンテンツも共同開発を行いました。


(出所:Varjo)

フィンランドに拠点を構えるVarjo(ヴァルヨ)は、「人の眼レベルの解像度を実現する」というスローガンのもと、法人向けの超高解像度VR/MRヘッドセットを開発しています。日本ではエルザジャパンなどが国内代理店を務めています。

軍事訓練システムインテグレータと共同開発

Varjoは8月29日、アメリカ軍が実戦投入を目指す仮想戦闘訓練システム「Synthetic Training Environment (STE)」構築事業に、同社のデバイスVarjo XR-3 Focal Editionが採用されたと発表しました。同製品が無線周波数を使わず、フィンランドの貿易協定(TAA)認定製品であることがセキュリティ面で評価されたとのこと。今後、同社は本事業の元請け企業であるCole Engineering Serviceと緊密に協力し、コア技術の改善などを進めるとしています。

今回の発表に当たって、VarjoのCCO(最高商務責任者)Seppo Aaltonen氏は「この品質と規模で世界初のビデオパススルー・複合現実ベースの航空訓練を米陸軍と共同開発できたことを誇りに思います」と述べました。また、Cole Engineering ServiceのプログラムディレクターEric Carr氏は、「Varjoと協力し、訓練システムのハードウェア設計に影響を与えることなく、特定のユーザーニーズや要件に基づいて、没入型訓練のレベルを引き上げることを楽しみにしています」とコメントしています。

先端技術を組み合わせた訓練システム

アメリカ陸軍によれば、STEには「ドローンによるデジタル地形収集キット、仮想戦闘空間をサポートする最高級コンピューター、指揮官の3D地形解析と兵士の戦地潜入のための仮想現実ヘッドセット」が活用されます。訓練の効率化やリスク軽減のほか、災害救助や避難訓練などへの応用も期待されています。

2023年3月にはシステムインテグレータのCole Engineering Serviceが、この事業の一部である「Reconfigurable Virtual Collective Trainer (RVCT)」のシステム改修を5億ドル(731億円, 2023/08/30時点)で受注しています。RVCTはさらに複数のプログラムで構成され、Varjoのデバイスは3種類のヘリコプター(アパッチ、チヌーク、ブラックホーク)に関する航空訓練プログラムに採用されました。


(2021年当時の訓練風景。出所:Cole Engineering Service

(参考)VarjoCole Engneering Service


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