Home » VRで“匂い”の再現目指すVAQSO、東京ゲームショーでスクエニらとコラボ展示 パルマー・ラッキー氏のトークも


イベント情報 2017.09.11

VRで“匂い”の再現目指すVAQSO、東京ゲームショーでスクエニらとコラボ展示 パルマー・ラッキー氏のトークも

現在、多くのVR体験はVRヘッドマウントディスプレイとヘッドホンなどにより視界・音を提供することで、実際には目の前に存在しない世界の中に、まるで本当に入っているように錯覚させます。

今回紹介するVR体験に匂いを加えるデバイス『VAQSO VR』は、そんな人間の五感のうち「嗅覚」をも錯覚させることで、更に没入感や臨場感を得られることを目指しているデバイスです。VAQSO社が開発を行っています。

9月11日、VAQSOはスクウェア・エニックスなど国内外9社と、2017年9月21日から24日の期間に開催される「東京ゲームショウ2017(TGS 2017)」にてコラボ展示を行う旨の発表会が行われました。

発表会では、VAQSO代表の川口健太郎氏が登壇し説明を行いました。上記写真にて、手に持っている薄いデバイスが「VAQSO」です。このデバイスはHMDの下部に装着し、カートリッジに匂いを入れ、小さなファンで外部に出すことで、匂いが発生するようになっています。


発表では、VAQSOの特徴であるワイヤレス性や、様々なVRHMDに対応すること、他の競合デバイスと比較した際のサイズの小ささなどが挙げられました。

VAQSOの解説が終わると、コラボ各社の担当者も登壇し、9つの出展コンテンツに関しての説明が行われました。展示される9つのコンテンツの内、8つのコンテンツがTGS2017用に開発されたものとなり、初公開のコラボレーションコンテンツとなっているとのことです。試遊体験できるVRコンテンツは以下のとおりとのことでした。

なお当日は発表会後、体験試遊をできるコンテンツもいくつか存在しましたので、体験したコンテンツに関しての感想も記述します。

TGS2017で出展される9つのVRコンテンツ

『乖離性ミリオンアーサー VR』(株式会社スクウェア・エニックス)

人気スマートフォンゲーム『乖離性ミリオンアーサー』をVR専用に制作されたコンテンツです。人気キャラクターとのふれあいや臨場感のあるカードバトルを楽しむことができます。スクウェア・エニックスの加島氏が登壇し、匂いによりキャラクターの存在感をより感じることができる技術デモが展示されることを紹介しました。(現在の製品版には匂い機能無し)

・【HTC Vive】あの人気タイトルをVRで再現!『乖離性ミリオンアーサー VR』 紹介&制作者インタビュー
http://www.moguravr.com/htc-vive-million-arthur-vr/

『 WONDERFUL WORLD VR Private Tour』(株式会社AOI Pro.)

世界・日本各地の風景の中を案内人の女性にリードされて歩く五感体験型VRコンテンツです。生体反応センシングが組み込まれており、映像、歩行装置、ハンドデバイス、風、ミスト、そして、匂いが一体となり、より高い没入感が提供されるとのことです。

今回、発表会後の体験会で試遊することができました。人間の手の形をしたハンドデバイスを握り、まるで実際に女性に連れまわされるような感触で様々な場所を歩き回る体験です。ほの暗いトンネルから森の中、そして浜辺まで移動し、映像とともに匂いを感じることができました。

・手を引かれて世界を散策 AOI Pro、体感型VRコンテンツを発表
http://www.moguravr.com/aoi-pro-vr-2/

『VRサクラ』(イリュージョン)

イリュージョン社は、近所に住む女の子「夕陽さくら」とさまざまなスキンシップを取ることができるVR専用ゲーム『VRカノジョ』のコラボコンテンツ『VRサクラ』を出展します。今回の展示では「夕陽さくら」が口にしているチョコレートに顔を近づけることで甘い香りを体験することができます。

・【体験レポ】匂いで拡張するVR体験 『VRカノジョ』で女の子の匂いを嗅ぐ
http://www.moguravr.com/unite-vr-kanojo/

『カウンターファイト』(株式会社トリコル)

次々と現れる個性的なお客さんたちにラーメンを提供していくラーメン屋の経営シミュレーションゲームです。食材は箸で掴まなければいけなかったり、ビールは冷やしてからコップに注ぐ必要があったりと、現実に忠実な再現がされています。

今回の展示では、株式会社エクシヴィが開発した「サードアイ」システムの試験導入にも触れられました。こちらは現実での動きをアバターとしてVR内に合成・体験者の動きを可視化することで、VR外でプレイを見ている人もVR内で何が起こっているのか分かる仕組みです。


サードアイによって、VR内に体験者のアバターが出現

本作も今回の発表会後に体験することができました。VRで餃子を焼きラーメンを作り、それらを顔に近づけると香ばしい香りが漂ってくるものとなっていました。

・【HTC Vive】これでラーメン激戦区も大丈夫だ!ラーメン屋シミュレーター『Counter Fight』
http://www.moguravr.com/counter-fight/

『サイレントVR』(Mixed Realms)シンガポール

刀や壁走り、ダブルジャンプや銃撃などサイバーニンジャを体験できるVRアクションゲームです。動きをマスターすることで映画のような演出も可能です。今回のコラボでは銃・火薬・着物の女性の香りなどを再現するとのことです。

『ドリーム・ペットVR』(Subdream Studios)サンフランシスコ

VRペットと遊ぶことができるゲームです。本作は2017年9月にリリース予定となっていますが、TGSでは一足先に体験が行えます。今回の展示ではバーチャル環境と犬の香りを体験できます。

『ちゃぶ台返し』(株式会社クリーク・アンド・リバー社)

激烈おとっつぁんのちゃぶ台返しを避けるVRゲームです。本作の操作は視線移動とタップのみというシンプルな操作で行うことができます。

『VRider DIRECT』(株式会社アルファコード)

「VRコンテンツを簡単に・早く・正確に作れる」をコンセプトとしたVRコンテンツ制作・運用ツールです。クラウドを利用し、コンテンツマネジメントシステム機能「アップロード・VRエディタ・管理画面・アプリ」を提供しています。同ツールは、今後「香り」の配置機能を搭載していくとのことです。なお本ツールは朝日新聞社のニュースアプリ『NewsVR』にも導入されています。

・VRはジャーナリズムを変えるのか  朝日新聞が始めたVR活用の狙い
http://www.moguravr.com/newsvr-interview/

『透明少女』(株式会社シータ)

「異世界、平行世界、別世界」をコンセプトとした接近実写VR体験コンテンツです。透明少女たちとの突然の出会い、心の距離の接近、強制的な別れというテーマのもとに3部構成になっています。

本作も今回の発表会で体験できました。視差付きで立体感・実在感のある、前方180度を見渡せる映像となっており、間近に女の子が迫ってくると非常にリアルな感覚を覚えます。目の前でアイスクリームをくれたりと、コミュニケーションのような感覚と甘い香りを楽しむことができました。

・想像以上の近さ、立体感!女の子と2人だけの空間を味わえるVR体験
http://www.moguravr.com/theta-vr/

パルマー・ラッキー氏も登壇 VR開発者らによるトークショー



TGSのVAQSOブース内イベントステージでは、VR開発者らによるトークショーが行われます。1日目は、Oculus VR社の創業者パルマー・ラッキー氏。2日目は、株式会社エクシヴィ代表取締役社長でありVR開発者の近藤義仁(GOROman)氏。4日目は、匂いと味の相互作用を利用して、食味を変化させるメタクッキーなどを開発する東京大学の鳴海拓志氏となっています。

また2日目に行われるトークショーでは、パルマー・ラッキー氏と川口健太郎氏に聞いてみたい質問をTwitterにて募集しています。「@vaqso_vr」と「#VAQSOTGS」が入った質問の中から2人がいくつか答える形式になるとのことです。募集期間は9月11日から22日まで。

プログラム

・1日目:13:30~14:00
近藤義仁(GOROman)氏
・2日目:13:30~14:00
パルマー・ラッキー氏(Oculus VR 創業者) x 川口健太郎氏(VAQSO CEO)
・3日目:なし
・4日目:13:30~14:00
鳴海拓志氏(東京大学)

イベントの概要

イベント名

東京ゲームショウ 2017

会期

・ビジネスデイ
9月21日、22日 10:00 から 17:00
・一般公開
9月23日、24日 10:00 から17:00

会場

幕張メッセ  1ー11ホール、イベントホール、国際会議場

アクセス

・JR京葉線 海浜幕張駅より徒歩約5分。
・JR総武線・京成線 幕張本郷駅より「幕張メッセ中央」行きバスで約17分

入場料

・一般(中学生以上) :1,200円 (前売券:1,000円 )
・ 子供 (小学生以下): 無料

主催

一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)

ウェブサイト

http://expo.nikkeibp.co.jp/tgs/2017/


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード