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Meta Quest 2024.03.20

MetaQuest 2やMetaQuest 3とPCをケーブルで接続する「Quest Link」を解説! ケーブル無しの「Air Link」の方法も紹介【2023年3月更新】

VRヘッドセット「Meta Quest」シリーズは、基本的にはPCに接続しなくても、そのまま単独で使用できます。しかし、あえてPCに接続して、より本格的なVRコンテンツを体験できるシステムがあります。それがQuest Linkという機能です。


(画像はMeta Quest2と公式Linkケーブルとの接続)

本記事では、まだ「Quest Link」を使ったことがない人向けに、セットアップの手順を徹底解説。さらに、ケーブルに接続しなくても使える「Air Link」についても紹介していきます。

Quest Link / Air Linkの特徴

「Quest Link」は、Meta QuestとPCをUSB(3.X)ケーブルで接続するMeta公式の機能です。接続するとVRヘッドセットのディスプレイ上でPCを操作できる他、PC向けVRゲームやコンテンツを楽しめます。本来Meta Quest単体の場合グラフィックなどのクオリティに制限がありますが、ゲーミングPCなどと接続することで、よりハイクオリティな体験を楽しめます。

一方、「Air Link」はQuest Linkと同様の機能をケーブル接続なしで行える機能です。Meta QuestとPCが同じネットワークに接続されていれば機能が使えます。配線の煩わしさから開放されますが、ケーブル接続ありの方が安定性は上です。

Quest Link / Air Linkは、現在販売されている「Meta Quest 2」「Meta Quest 3」「Meta Quest Pro」で利用可能です(初代Oculus Questでも可能)。

まずはケーブルとPCソフトを用意しよう

「Quest Link」を使用するのに必要なのは、Meta Quest本体WindowsPCUSB(3.X)ケーブルの3つです。

PC性能は当然、高いほど望ましいですが、Metaは“推奨”となる水準を定めています(※推奨スペックは記事末尾を確認ください)。

ケーブルに関しては、公式で発売されているLinkケーブルを使うのが最も望ましいですが、価格は10,780円と少し高めです。基本的には、Quest本体に差し込める「Type-C to C」のケーブルで「通信と給電に対応しているもの」という要件を満たしているものであれば、どの企業のケーブルでもOKです。不安なく遊びたい場合は「USB 3.2 Gen 1 (最大速度5 Gbps)」を選びましょう。

(これが「Type-C to C」のケーブル)

ただし、お使いのPCによっては「Type-Cの差し口が無い!」という場合があります。その場合は、USB(Type-A)ケーブルを使いましょう。

(片方がPCでにつなげるUSBで、もう一方がQuestにつなげるType-C)

この場合、注意すべき点は2つあります。USBケーブルは、コネクター部分が青色のもの
(USB3.X)を選ぶこと。PC側の差し込み口も青色表示になっていることが条件です。どちらかの要件を満たしていないと、パフォーマンス面に問題が発生する可能性があります。

Oculus公式では、税込10,780円で“専用”のUSB3.0ケーブルが販売されていますが、社外品でも、パフォーマンスに影響はほぼありません。ちなみに筆者はANKERのコチラを使用しています。ケーブルの長さは、部屋の広さによるものの、最大でも5mはあれば十分でしょう。

PCにソフトをダウンロードしよう

PCとケーブルが用意できたら、公式サイトから、PC向けの公式設定アプリをダウンロード
(Meta Quest 2の「Air LinkとLinkケーブル」の項目)します。PC側は約10GBの空き容量が必要です。スマートフォン版のアプリでは設定できないので、ご注意ください。

ダウンロードしたら、アプリを起動します。アプリを初めて使う人は、ご自身が利用しているMetaアカウントの情報を入力してください。それが終わったら、以下の画像の手順で進めてください。


(まずは使っている本体を選択します)


(接続方法を選びます。今回はケーブルを使うので、Linkを選びましょう)


(この画面になったら、ケーブルを繋いで本体と接続しましょう。Quest本体の電源はオンにした状態で、メニューが開いていれば大丈夫です)


(デバイス設定のメニュー画面が「接続済み」になっていればOKです)

ここまで完了すれば、セットアップが自動で行われます。これでPC側の準備はOKです。
次に、Meta Questを装着します。「クイック設定(時計が表示されているメニュー)」の画面を開いて、下の画像の「Quest Link」を選択しましょう。


(赤丸のところを選択しましょう)

すると「Quest Link」の画面が表示され、自分のPCの名前が出てきます(画像の黒塗りのところです)。あとは「起動」のボタンを押すだけです。


(この画面が出たら、あとは「起動」を押すだけ)

このやり方で、うまくいかない場合は、ケーブルが正しく差し込まれていないか、USBを何度も抜き差ししていないか、本体とアプリのどちらかが最新版にアップデートされていない可能性があります。

またQuestを差し込んだときに「接続したデバイスにファイルへのアクセスを許可しますか?」といったポップアップが登場しますが、これはQuest本体に記録した動画や写真をPCにダウンロードする際に使うものなので、今回は「許可しない」を選べばOKです。(次回以降スキップした場合、通知欄から接続できます)

どうしても、うまく接続できない場合は、公式サイトのトラブルシューティングを確認してください。(※注意:すでに「Air Link」を設定している場合、ケーブルを接続しても反応しないことがあります。あらかじめオフにしておきましょう )


(正常に起動すると、このような感じのホーム画面が表示されます)

「Quest Link」で何が遊べる?


(PC側のストア。こちらのストアにしかないようなソフトも購入できます)

PC版のオンラインストアに並んでいるアプリをQuestでも体験できます。「Stormland」や「BONEWORKS」などのハイクオリティなVRゲームはもちろん、Quest単体版では一部機能の制限されていた「VRChat」なども存分に遊べます。またPCのデスクトップ画面をVR上にも映し出せるので、VRヘッドセットを被ったままPCのキーボードで作業したりもできます。

さらにVRアプリ「SteamVR」をPC側にインストールすれば「Half-Life: Alyx」などのMeta社の公式Storeにないタイトルも体験できます。

Quest Linkを正しく終了するには?

「Quest Link」は、使用しているUSBケーブルをPC(あるいはヘッドセット)から引き抜くと自動的に終了します。このやり方が不安な場合は、「Oculus Link」中のホーム画面にある終了ボタンを押せば大丈夫です。ホーム画面の歯車マークを選択すると設定欄が表示されるので、そこで“ヘッドセット”を選択しましょう。

無線で接続する「Air Link」の使い方

Meta Questには、PCとケーブル無しの「ワイヤレス」で接続できる「Air Link」という機能もあります。

利用方法は基本的に「Quest Link」と同様です。PCを起動して、PC版の公式アプリを起動。「接続方法を選択」の画面で、今度は「Air Link(ワイヤレス)」を選びましょう。

PC側の設定が完了したら、Meta Questを装着して「クイック設定」の画面へ移動。下記の画面の赤丸で囲ったところを「オン」にしましょう。

あとは「起動」するだけでOKです。これでケーブルが無くともPC版のコンテンツを遊べます。

ただし「Air Link」は、回線が遅いなどの通信環境が悪い場合、遅延が起きたり画質が落ちたりといったパフォーマンスに問題が生じる場合があるので注意が必要です。普段は「Air Link」を使いつつ、安定性が欲しい場合は「Quest Link」に切り替えるなど、状況に応じて使い分けていくのが良いでしょう。

なお、PCとヘッドセットの無線接続は「Virtual Desktop」「Steam Link」といった選択肢もあります。

アップデートで改善されたもの(2024年3月時点)

2024年3月にQuest Link / Air Linkの最新アップデートが発表され、段階的に配信が開始されました。

今回の更新は、Meta Quest3のリフレッシュレートが120Hzまで対応。また、バッテリーの消費電力が約30%改善され、Air Link中のバッテリー駆動時間は約90分(1.5時間)から約140分(2時間20分)に延長されました。NVIDIA4000シリーズのGPUにも対応しました。(4070、4060、4050で警告が表示される場合がありますが、一過性のエラーのため、使用には影響ないとのこと)

リフレッシュレートの変更方法は、PCアプリ側から変えられます。デバイス設定から「グラフィック設定」を選択してください。

デバイスの推奨スペック一覧

以下の表は、Linkを使用する際の2023年12月時点でのPC要件を表記。

PCの最小スペック

コンポーネント 推奨スペック
プロセッサ Intel i5-4590 / AMD Ryzen 5 1500X以上
グラフィックカード 以下のGPUの表を参照
メモリ 8GB以上のRAM
オペレーティングシステム Windows 10、Windows 11
USBポート USBポートx1

PCの推奨スペック</h3

コンポーネント 推奨スペック
プロセッサ Intel i7 / AMD Ryzen 7
グラフィックカード Nvidia RTX 20シリーズ / AMD Radeon RX 6000シリーズ
メモリ 16 GB DDR4 RAM
オペレーティングシステム Windows 10、Windows 11
USBポート USB-Cポートx1

対応GPUリスト

NVIDIA GPU サポートあり 現在サポートされていない
NVIDIA Titan Z
NVIDIA Titan X
NVIDIA GeForce GTX 970
NVIDIA GeForce GTX 1060デスクトップ、3GB
NVIDIA GeForce GTX 1060デスクトップ、6GB
NVIDIA GeForce GTX 1060M
NVIDIA GeForce GTX 1070 (すべて)
NVIDIA GeForce GTX 1080 (すべて)
NVIDIA GeForce GTX 1650
NVIDIA GeForce GTX 1650 Super
NVIDIA GeForce GTX 1660
NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti
NVIDIA GeForce RTX 20シリーズ(すべて)
NVIDIA GeForce RTX 30シリーズ※
NVIDIA GeForce RTX 40シリーズ

※注意:NVIDIA 3050 (ノートパソコン)および3050ti GPUをLinkに使用することは推奨していないとのこと。

AMD GPU サポートあり 現在はサポートされていない
AMD 200シリーズ
AMD 300シリーズ
AMD 400シリーズ
AMD 500シリーズ
AMD 5000シリーズ
AMD 6000シリーズ※
AMD Vegaシリーズ

(参考)公式サイト


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