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活用事例 2023.10.18

英グラスゴー大が「バーチャル博物館プロジェクト」開始。イギリス政府から約10億円を獲得

グラスゴー大学は、スコットランド国立博物館ほか2法人との共同で「バーチャル博物館」の開発に着手します。このプロジェクトはイギリス政府の研究開発振興プログラムに採択され、560万ポンド(約10億円、2023年10月18日時点)の予算が充てられます。


(プロジェクトメンバーのリン・バーシュレン博士、マリア・エコノム教授、ニール・マクドネル教授、ポーリン・マッケイ博士。撮影:Martin Shields)

本プロジェクトにはスコットランド歴史環境局、スコットランド国立博物館、ハンタリアン博物館(グラスゴー大学内)が参加し、VR教育サービス運営のEdifyが協力。スコットランド文化にまつわるバーチャル博物館を制作します。

「10%も展示されていない」博物館の収蔵品、アクセスしやすく

グラスゴー大学によれば、博物館の収蔵品は全体の10%未満しか展示されておらず、距離や費用の制約から現地へのアクセスも限られています。文化財のバーチャル化には既に多くの取り組みがあるものの、特注のVRコンテンツは制作費が高く、技術不足や文化的理由などから普及していませんでした。


(プロジェクトの主任研究員ニール・マクドネル教授。撮影:Martin Shields)

新たなバーチャル博物館では、来館者が豊富な博物館、遺跡、オブジェ等にアクセスできるほか、キュレーターが「現実世界では一緒に配置されたことのないオブジェクトやバーチャル環境を用いて、豊かで楽しいストーリーテリングを構築する」ために制作されるとのこと。また、熟練の研究スタッフが最先端の撮影機器を用いたワークフローを開発・改善・公開することで、高い制作品質と手頃な費用を両立できる、としています。


(プロジェクトの予告動画。出所:グラスゴー大学)

イギリス科学技術革新省のジョージ・フリーマン大臣は、今回のプロジェクトについて、 「博物館は、あらゆる年齢や背景の人々にインスピレーションを与え、魅力的な洞察や遺物を世界中の誰もが利用できるようにすることで、学習や文化へのアクセスを広げるだけでなく、学際的な研究の巨大な原動力にもなっています」「イノベーション・アクセラレーター・プログラムによるこの560万ポンドの投資は、グラスゴー大学がバーチャルリアリティ研究の名声を確立し、学習者や学芸員の機会を増やし、イギリスのイノベーションと文化を世界に広めるのに役立ちます」とコメントしています。

(参考)グラスゴー大学


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