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メタバース最新動向 2021.12.20

目指すは人間中心の“リアルメタバース” XRプラットフォーム「STYLY」が都市データを組み込む大型アプデ

Psychic VR Labは、VR/AR/MR(XR)クリエイティブプラットフォーム「STYLY」の大型アップデートを告知しました。この大型アップデートでは、実在する都市空間にAR/MRコンテンツを配信できるようになります。公開は2022年。また、STYLYの目指す方向性を「リアルメタバースプラットフォーム」として再定義しました。

都市データを取り込んで街を舞台にしたXRコンテンツを

STYLYは、クリエイターが素材を組み合わせXRコンテンツを作り、公開することのできるプラットフォームです。プログラミング不要で制作できる部分を増やし、制作負荷を下げて、知識の少ない人でもXRコンテンツの作成・配信ができる点が特長。

2017年8月の公開以来、様々なVR/ARプラットフォームに幅広く対応してきました。直近では、定番の一体型VRヘッドセットOculus Quest 2だけでなく、ARグラスNreal Light、VRデバイスVIVE Flowにも対応しています。

今回の大型アップデートでは、STYLY上で全国6都市の都市データを取り込み、特にAR/MRコンテンツの制作に使うことができるようになるとのこと。この機能では、ユーザーが対象となる都市に行ってスマートフォンやARデバイスを使うと、指定の位置でクリエイターのAR/MRコンテンツが再生、体験できるようになります。

まず対象となる都市は、東京・札幌・名古屋・大阪・京都・福岡の6都市とのこと。都市データは、国土交通省のProject PLATEAUなどを使用。STYLYに組み込まれるので、クリエイター自身が都市データを収集して統合する必要はありません。クリエイターにとっては都市を舞台にしたバーチャル表現が大幅にしやすくなると言えるでしょう。

今後、国内の対応都市を増やしていくほか、海外主要都市のデータも組み込んでグローバル展開を加速させる、としています。現在は地形データの反映のみですが、今後は人流や交通などの各種データ連携も視野に入れ、「都市に連動したXR」のプラットフォームを目指していくようです。また、アップデート時点ではAR/MRでの利用のみですが、将来的にはVRにも対応していく予定であることも明らかにしています。

本大型アップデートの公開は2022年を予定しています。

「リアルメタバース」に込められた想い

今回の大型アップデートの発表に際して、Paychic VR Labは「リアルメタバース」という独自の方向性を打ち出しています。

同社執行役員の渡邉遼平氏によれば、「昨今メタバースが話題になっている中で、XR企業として改めて目指す方向性を定義した」とのこと。人間の知覚を拡張することを目指している同社としてはメタバースを「人間の知覚をテクノロジーで拡張する世界」と捉え、あくまでも人間中心のリアルな自分を起点にした「リアルメタバース」という概念を提唱しています。

私たちが認識している世界というのは、私たちが有する知覚や経験を通じた主観的なものです。この知覚をテクノロジーによって拡張することにより、これまで捉えることのできなかった世界を認識することができるのがメタバースの本質だと考えています。
―Psychic VR Lab 代表取締役 山口征浩氏

クリエイター向けのコンテンツプラットフォームからリアルメタバースプラットフォームへ。都市にどんなXRコンテンツが溢れるようになるのか、プラットフォームの進化とともに楽しみにしたいところです。

(参考)プレスリリース


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