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業界動向 2022.09.02

Snapが従業員の2割をレイオフ、Zenlyなど終了へ。ARやコミュニティ、収益増への注力掲げる

スマートフォン向けアプリ「Snapchat(スナップチャット)」を手がけるSnapは、8月31日、今後の成長に向けて事業の選択と集中を行う旨を発表しました。ARへの注力を強化する一方、従業員の2割を解雇し、Zenly等の複数のアプリ・プロジェクトを終了するという大胆な内容です。

カメラデバイスや複数のアプリを終了、コミュニティ・収益・ARへ注力

CEOエヴァン・シュピーゲル氏が投稿した内容によれば、今回の計画は2022年の事業成長が目標から下振れし、成長率が鈍化していることを受けたもの。事業拡大を加速し、長期的に成功を収めるためのコスト削減と優先的な投資分野を決定しました。レイオフ対象は従業員の約20%を計画しており、人数にして1,300人規模に及ぶと見られます。

具体的には、次の3つの分野に戦略的な投資を行います。すなわち、コミュニティ拡大、収益増加、そしてARです。これらに直結しないプロジェクトは、終了または大幅な資金の削減を宣言しています。

一方既に終了が決定したプロジェクトは、動画コンテンツ配信のSnap Originals、ミニアプリ機能Snap Minis、Snapchat上でプレイできるSnap Gamesなど多岐にわたります。また位置情報共有アプリZenly、音楽アプリVoisey、ドローンカメラPixyといった、写真共有アプリ外の事業にも及んでいます。

クリエイター向けARグラスは投資強化

今回投資強化対象に掲げられたARについて、投資家向けの資料では、アプリSnapchat、AR開発プラットフォーム「Lens Studio」、ARグラス「Spectacles」の3軸が挙げられています。2021年5月に発表された最新の「Spectacles」は、それまでのコンシューマー向けとは一線を画したクリエイター向けデバイス。同デバイスへの投資を強化し、「高度に差別化された、長期の研究開発」に注力する旨が記されています。

Snapは2021年5月にウェーブガイド技術のWaveOpticsの、2022年5月に脳波コントロールデバイスのNextMindの買収をそれぞれ発表しています。今回のリストラクチャリングで、こうしたチームへの影響は明らかになっていません。自らを「カメラカンパニー」と位置づけてきたSnapが、今後どのような成長を見せるのか。次の一手に注目が集まります。

(参考)Road to VR
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