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活用事例 2023.08.10

ARで火災時の避難体験、理経が東京海上ディーアールと共同開発

株式会社理経は、東京海上ディーアール株式会社と共同で、屋内火災における煙のリスクを体験できる「煙避難体験AR」を開発しました。場所や装置などの準備を必要としないため、コスト削減が期待できます。

防災訓練VRの老舗、スマホARにも

防災・減災のための避難訓練は、地域住民の無関心・マンネリ化が課題とされています。全国各地で講習会や図上訓練、消火器の実演、煙体験ハウス、VR災害体験車などが提供される一方で、リアリティのある活動の準備には多くの労力がかかります。

理経によれば、このARコンテンツは「リアルな煙の視覚的効果」をスマホやタブレット端末で再現でき、煙の色・濃さを変更できるなど、多様な煙のパターンをカスタマイズできます。訓練場所や装置などの準備を必要とせず、効果的かつコストの削減につながるとしています。


(理経による「火災避難体験VR」。出所:理経)

理経は2017年から、「火災」「地震」「土砂災害」などの防災訓練用VRシリーズを開発・販売しています。2020年には内閣官房の「国土強靭化 民間の取り組み事例集」にも選ばれ、英語版がEpic Gamesの開発者支援プログラム「Epic MegaGrants」に採択されました。

産学官連携でのコンテンツ開発進める

理経は、2020年から東京大学、東京理科大学と「消防教育訓練シミュレーションシステム」を共同開発し、2023年6月に公表しています。過去にはVRグローブを用いた火災時の熱体感にも挑戦しており、今回のARコンテンツは、同社が長年にわたって蓄積した専門知識を活かしたものと見られます。

災害リスク低減コンサルティングを手がける東京海上ディーアールは、2021年から東京海上火災保険と共同で「災害体験AR」を開発しました。このスマホアプリは、自治体のオープンデータなどを活用した独自のハザードマップをもとに、洪水時の浸水の高さなどを体験できます。

(参考)理経東京海上ディーアール


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