2020年10月29日、AMDは、オンラインイベントで、新型GPU「Radeon RX 6800」「Radeon RX 6800 XT」「Radeon RX 6900 XT」を発表しました。発売日は2020年11月18日(6900 XTは12月8日)。価格は580ドル(約61,000円)からとなっています。
これらのGPUには、最新のRDNA 2アーキテクチャが採用。また「1本のケーブルでHMDを動作させる、最新のVR体験のための」USB-Cポートが実装されています。
Radeon RX 6000シリーズについて
今回発表されたGPUは、「Radeon RX 6000」シリーズの製品です。Nvidiaの「
GeForce RTX 30」シリーズの対抗馬となることが想定されています。128MBのL3キャッシュ「Infinity Cache」を内蔵。AMDは、キャッシュは、その他のメモリのための“帯域幅の増幅器(bandwidth amplifier)”として機能すると説明。16GBのGDDR6メモリと「Infinity Cache」を組み合わせることで、有効帯域幅は、キャッシュ非搭載の同容量メモリの最大3.25倍に達するとのこと。
「Radeon RX 6000」シリーズには、レイトレーシング機能を強化する“‘Ray Accelerator”が、コンピュートユニットにつき、ひとつ搭載されます。同GPUのレイトレーシングは、 DirectX 12 Ultimateがベース。AMDは、デベロッパーは、ラスタライズとレイトレーシングを、混ぜたり一致(マッチ)させたりできると解説しています。
ほかにもAMDは、 「Radeon RX 6000」シリーズと、同社のCPU「Ryzen 5000」シリーズを組み合わせた際に使用できる「Smart Access Memory」機能を発表しました。このシステムは、CPUが1度に、GPU側のメモリにより多くアクセスできるというもの。大きくはありませんが、パフォーマンスが向上します。
USB-CでVRヘッドセットが動作
「Radeon RX 6000」シリーズには、本体にUSB-Cポートが搭載されます。
これは、同GPUが「VirtualLink」をサポートする可能性を示唆しています。「VirtualLink」は、現在のUSBケーブルとグラフィック出力用ケーブル(HDMIまたはDisplayPort)を2本使う煩雑さを解消することが目的に、2018年に開発がスタートしました。ただ、その後大きな続報は出ず、2020年9月、米メディアRoad to VRは開発の中止を報じました。
現時点は、AMDがUSB-Cを導入した真意は不明ですが、性能的にはVRヘッドセットを快適に使用できることは確実です。
RDNA 2アーキテクチャは、「Variable Rate Shading」――あるフレームから次のフレームまでのシェーディングレートをきめ細かくコントロール可能にする機能――をサポートします。
Radeon RX 6000シリーズ各GPU概要
RX 6900 XT |
RX 6800 XT |
RX 6800 |
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価格 |
1,000ドル(約10万円) |
650ドル(約68,000円) |
$580(約61,000円) |
発売日 |
2020年12月8日 |
2020年11月18日 |
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Compute Units |
80 |
72 |
60 |
Game Clock (GHz) |
2.02 |
2.02 |
1.82 |
Boost Clock (GHz) |
2.25 |
2.25 |
2.11 |
メモリー(GDDR6) |
16GB |
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接続 |
DisplayPort 1.4 w/ DSC*, HDMI 2.2 w/ VRR*, USB-C* |
2x DisplayPort 1.4 w/ DSC, 1x HDMI 2.2 w/ VRR, 1x USB-C |
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* コネクター数が不明な接続 |
(参考)Road to VR、AMD公式
Mogura VRはRoad to VRのパートナーメディアです。