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空間保存・報道 2019.03.18

他国の博物館をVRで“歩く” フォトグラメトリーで可能になる再現

ロンドン大学バートレット建築校がフォトグラメトリーと呼ばれる技術を用いて、建設中の博物館の一部をVR映像として眺める作品を作成しました。本作は、同校による展覧会「Spring 2019 Guest Exhibition」の主要作品の1つです。写真やドローイングに加え、来訪者がヘッドセットを装着して視聴できる作品として展示されました。

映像の舞台は中国の杭州にある、「Lin’an(臨安) History Museaum」。博物館の設計は夫婦で建築家であるWang Shu氏とLu Wenyu氏らによるものです。

GoProカメラで博物館を撮影

フォトグラメトリーは、複数のアングルから撮影した静止画からCGモデルを作成する技術。本作品は、博物館の一部を巡る際の全景をCGに落とし込んだものとなっています。

The Bartlett School of Architecture UCL – Spring 2019 Guest Exhibition (VR Experience) from MobileStudioArchitects on Vimeo.

なお、制作にあたっては、撮影可能箇所が限られていること、さらに時間の制約といった困難もあったとのこと。このため、英国にいるチームから中国の現地担当者に向けて、詳細な説明を連携した上で、GoProカメラによる撮影が実施されました。

VRを通して見る伝統技術

写真ほどの精細さとはいかないものの、映像では博物館に取り入れらた中国の伝統技術をいくつか見ることができます。たとえば華南地方の建築の特徴でもあるひさしが張り出した屋根がそのひとつ。

そのほか、細い窓が散りばめられた建物も確認することができます。こちらは、古代中国の建築方法を用いたもので、破壊の後に放棄された建物から材料を集めることで、石やレンガなどさまざまな質感が混合した建物に仕上がっています。

(参考)Dezeen


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